第126話 ラーフェン亡命者

「知らぬこととはいえ、大変ご無礼をいたしました。どうかお許しください」

ジェロは何のことか分からず、ただメオンに背中を押されて再び頭を下げるだけだったが、かわりにメオンが謝ってくれる。

「良い、そなた達との相性を見たいと言われたのはこの方たちだ。そのジェロマンという男が王子殿下の相手もできることをこっそり確認させて貰った。だからこそ、依頼をされると言われたのだ」

「領主様、依頼とは?」

説明してくれた領主に、今度は領主と付き合いのあるアンセルムが聞いてくれる。

「騎士達とともに、殿下お二方をモージャンの街まで無事に送り届けるのだ」

「え!?軍や衛兵どころか冒険者でもないギルド職員が、ですか?」

「軍や衛兵では目についてしまい危険だが、単なる冒険者のような根無し草では当てにならないとのことだ」

とは言っても孤児院出身の自分が?とはこの場で発言できる度胸がないジェロである。

「意図は承りましたが、この情勢においてそこまで少人数は危険と存じます。ジェロマンのもとで冒険者達を同行させることは如何でしょうか」

アンセルムの発言に対して、王女が頷くことを確認した領主が返事をする。

「そういうことに慣れた冒険者ギルドの判断に任せよう。問題ないような人選も頼むぞ」


なるべく早く移動したいとの希望から、明朝にあらためて迎えに来ることになり、領主館から冒険者ギルドに向かう3人。

「ジェロ、あきらめろ。そうだ、“ジェロ班”のメンバならば殿下達へそれなりの対応もできるであろうし、ジェロ自身も気が楽に接することができるだろう」

「はい……」

「メオンさん、ジェロさん、申し訳ない。事務職員の応援の予定が、次々とお願い範囲が広がってしまい。ただ、レイスやゴースト退治をしてくれたメンバなら腕も確かでしょう。どうかよろしくお願いします」

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