第116話 ゴースト討伐2

廃村の一般家庭宅であったであろう家屋で順次ゴーストを退治し、討伐証明にもなる魔石の回収を進めているジェロ達。最後に残ったのは村長宅であったのか、一際大きな家屋である。

『ジェロ、あそこは注意。今まで以上にたくさん居る』

「皆さん、気をつけましょう。たくさん居そうです」

ジェロは、今まで温存していた聖水を皆に配り注意喚起する。武技で消費していた魔力を回復させるポーションも飲んだ冒険者達が気合いを入れる。

「よし、この壊れた扉を開けたら一気に踏み込むぞ。皆で聖水を手当たり次第にかけてから戦闘開始だ。ここではジェロさんは一番後ろに居てください」


村長宅に踏み込むと待ち受けていたのは5匹の魔物であったが、こちら6人が聖水をかけて怯んだところへ武技で斬りつけた後にジェロが入っていく。

『真ん中、ちょっと違うわよ』

ヴァルに言われて見ると、似たような魔物が5匹ではあるが真ん中だけは雰囲気が違う。

斥候役のリスチーヌ以外の5人が1匹ずつ武技で斬りつけたのに真ん中にだけは今までと違い手応えが無い。

「コイツ、何か違う!」

「他の奴をまずはやっつけよう」

冒険者達が残り4匹に専念できるように、ジェロは魔法を使いたいが狭いところで攻撃魔法を使うと仲間にもダメージを与えるフレンドリーファイアが怖い。そこで≪浄化≫のみを真ん中の魔物に発動しながらヴァルに聞く。

『あれってまさかレイス?』

『そうね。彼らでは攻撃が効かないからジェロが頑張ってね』


真ん中を除いても4匹いて、今までに比べて多いため冒険者6人も手間取っているところに、1ランク上位のレイスが混ざっているのである。

「皆さん、早く屋外に移動してください」

ジェロは遠慮なく魔法が使える場所に移動するように皆を促す。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る