第113話 ニースコンの日常2
応援に来ているニースコンのギルドに対して、ジェロが薬草や回復薬等でも貢献しているのに並行して、メオンも高い事務処理能力や統率力で評価されていた。
「マスターのアンセルムさんが、メオンさんを後継者に出来ればと仰っていましたよ」
「セドリユスさん、ご冗談を」
「でも、ジェロさんも含めてお二人とも独身で、将来の永住地も決まっているわけではないのですよね?」
「この街は国境で重要拠点ですから、ギルドマスターはアンセルムさんのようにAランク相当が望まれますよね。私には無理ですよ」
「あれ?メオンさんってBランク相当ですよね。あと一つですよね」
「その一つはかなり高い壁ですよね」
「そうですが、お待ちしていますよ」
セドリユスも同じくBランク相当だが、どうも王都に実家がありいずれ帰るつもりらしいので、この街の後を託せる人を探しているらしい。
そんなやり取りがされていることを知らない休日のジェロは、同時魔法の発動練習も兼ねて、この街でもドブ川で魔鼠の退治に勤しんでいる。
『だいぶたくさん発動できるようになったわね』
『まぁ≪火球≫だからな。初級だけでなく上級も多数発動できるようになると便利なんだろうけれど』
『もっと集中力が必要だから訓練あるのみね』
そして、魔鼠から得られた魔石の魔力をヴァルが吸収して無色透明になった石を、この街の孤児院にお菓子と一緒に差し入れて孤児達の玩具にするのであった。
『この街の孤児にもあげるなんて、フロラリーへのアピールだけでなかったのね』
『違うわ。経験者として、孤児院の子供達には綺麗な物や玩具が少ないのを知っているからな』
魔鼠から取り出した魔石に対しては習得したばかりの≪洗浄≫魔法を練習のためにも発動している。冒険や生命に直結しない生活魔法の類だから高価な消耗品の魔法カードにする需要が無いのか、この街の冒険者ギルドの魔法カードの在庫にも無い魔法であったが、街の魔道具店で現代魔術語の魔導書として購入することができた。
汚れというものは不要な物質、分子が付いていることなので、それを極少量の水分子で剥がすことで濡れることなく綺麗にするイメージにより習得することができていた。
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