第104話 ニースコンへ出発

いよいよニースコンへ出発の日。依頼に応じて行く冒険者15人とも顔合わせ済みである。モージャンのオークダンジョンの最奥に潜った14人、そのうちジェロと同じ班だった6人が参加している。つまり、モージャンからガニーに移転して来た女性冒険者リスチーヌまでいる。ガニーから応援組だったイジドリック、イドがリーダーの5人組“イドと盟友”と一緒に行動していることが多いらしい。

「ジェロさんが居たら何があっても大丈夫と思いましたから」

「そうだよな。あの最奥でも助けて貰ったし」

「メオンさんとジェロさんを除いたあの時の全員が今回参加希望だったのよ。でも、ガニーでも中堅のメンバがそこまで連続して長期抜けるのはダメとマスターに言われちゃって。だからジェロ班だった私たちを優先して貰ったのよ」

「ジェロ班って……」

どうも“イドと盟友”の5人にリスチーヌを足した6人が“ジェロ班”らしい。


『懐かれたのね』

『ヴァルの“せい”だよね、最奥って言うことは』

『“おかげ”でしょ。それにあのときの魔法はジェロも使えるようになったから、期待には応えられるでしょ』

ジェロはこっそりため息をついている。


今回のニースコンへは、食糧や武器などの物資の運搬もあり、人数は減ったものの馬車の数はしっかりある。荷馬車の数が多いためまるで商隊である。その馬車たちも、今回はあちらで馬車に乗る用事もないので、移動が終われば御者と合わせて戻ってくる予定である。

ガニーからニースコンへは、途中のモージャンまで2日とそこから2日の合計4日を予定している。

街道を通るので普通は魔物達への警戒はあまりないが、モージャンの近くの森では先日の騒動のオークやゴブリンの残党が居ることだけは警戒しておく。

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