第102話 ニースコンへの応援

休み明けの出勤日、先日ヤンクイユ商会のブリジョゼから聞いたニースコンの街やその先のラーフェン王国の話題で持ちきりであった。


「おいジェロ、やっぱりブリジョゼが言っていたように、ニースコン付近で戦争に備えた動きがあるらしいぞ」

ヴィクシムが冒険者ギルド内でも色々と話を聞き回った結果を伝えにくる。

「でもガニーの街は今までも関係なかったんですよね?」

「あぁ、今までは国境すぐのニースコンの街と、この近隣では大きなモージャンの街の2つのギルドでしか冒険者を募っていなかった。それが……」

「やはり?」

「そう、うちのギルドマスター、自分が率先していくと王都の幹部に打診していたらしいが却下が来たそうだ。どうしてもというならば、部下だけにしろと」

「まさか」

嫌な予感がしたところでメオンから声がかかる。

「ジェロ、一緒にマスターの部屋に行くぞ」


「内容は俺も聞いていない。ただ、覚悟はしておけ」

と廊下で言われながらマスターの部屋に向かう。

「メオン、ジェロマン、入ります」

「来たか。この前にモージャンの街へ応援に行って成果を出したと聞いている。今度はニースコンの街へ行って欲しい。前回は30人規模。今回はその半分以下と言われているので職員も減らす。2人で行って来い」

「戦争に参加しろというのですか?」

「いや、違う。ニースコンやモージャンの街の冒険者に対しては、ラーフェン王国軍への応援を募集だがな。モージャンと違ってそれほど大きくないニースコンの街では、ラーフェンに応援を出すと自分の街の依頼がさばけなくなるから、その支援だ」

「職員も、ですか?」

「あぁ、職員も冒険者を率いてラーフェンに行くと不足するからな。食糧などの物資もしっかり運んで行けよ」

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