第98話 軍靴の音
いつもの合同コンパのメンバが、新しいギルドマスターと合わないジェロを励ましてくれた後、知的美人のブリジョゼが聞いてくる。
「ところで、皆さんはラーフェン王国やニースコンの噂を聞かれていますか?」
「いいや。どうしたの?」
「先日のモージャン魔物氾濫の初期には魔物資材が余ってこちらに流れてきましたが、最近は逆に食糧や武器等の買い付け打診がありまして。方向的にラーフェン王国との国境に近いニースコン辺りのようです」
「それってきな臭いってこと?」
「はい。元々ラーフェン王国はムスターデ帝国から数十年前に独立したところですので、何かあると帝国と武力衝突していますよね。ここコンヴィル王国にとっては、軍事大国のムスターデ帝国との緩衝地帯になるので、ラーフェン王国の存続はありがたく、ニースコン経由で支援しています。そこが軍需品を求めているということはつまり、と思われまして」
「上には話が来ているのかな。二人とも知らないよな?」
「はい、聞いていません」
「あぁ。ギルドマスター止まりになっているのかもな」
「ヴィクシムさん、もし戦争になんてなると……」
「あぁ、冒険者ギルドも参戦者として冒険者を募ることになるな」
「お嬢さん達、俺がこの腕で守ってあげるよ」
バスチャンが逞しい腕をまくってアピールをするが、効果があったように見えない。
「またギルド職員の皆さんが引率されることになるのでしょうか?」
「この街が戦争に関わることはながらくなかったので前例はないかな」
「でも、あのギルドマスターなら、自分が連れて行くと言いかねないな」
「ありえますね……」
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