第88話 お帰りなさい会2
飲み会も解散になり、エムがそっとジェロの隣に来る。
「ジェロ兄、本当に無事にお帰りなさい」
「あぁ、ありがとう」
「前よりカッコ良くなっているよ!」
「えぇ!」
「じゃあね」
『あれ、ジェロ?なんかいい感じなのかな?』
『ま、エムも孤児院の先輩が活躍した話は嬉しいんだろう』
「おい、ジェロ、またしてもか!反省会だ!」
「次行くぞー!」
今回もヴィクシム、バスチャンに連れられ深酒になるジェロであった。
ジェロは≪解毒≫魔法でお酒を抜いた上で、刀の訓練も追加になった朝のトレーニングをしてから冒険者ギルドに出勤する。
「ジェロ、来たな。まずは今回の諸々だ」
マスターの部屋にメオンと共に呼ばれたのだが、テーブルの上にはかなりの額の貨幣が入っていると思われる布袋が置かれていた。
「え!?なんか多そうですが」
「メオンとジェロもダンジョン最奥のことを他言無用とする対象だからな。それに今回の活躍の成果だ。回復や鑑定を含めた事務業務以外にかなり戦闘面でも頑張ったのは聞いている。魔人討伐及びその装備品の買取も含まれている」
「はぁ、ありがとうございます」
「そこで2人に来て貰ったのは、ジェロの今後について、だ」
「はい?」
「まぁ銅級冒険者の戦闘力もあるのに裏方事務職を続けるか?ということだ」
「そんな。裏方が良いですよ!」
「あんなに目立っておいて、まだ裏方を希望か。まぁしばらくはそうするか。そのうち気が変わったら遠慮なく言ってこい。ただ、環境がいつまで許してくれるかもわからんがな」
「はい……」
「あ、腕が鈍らんようにギルドの訓練場を使うこと、図書室で魔導書などを見ることも許可しておくから、研鑽にも励めよ。不在時に未整理だった魔法カードの整理も頼むな」
「はい、ありがとうございます!」
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