第2章 目立ってしまったギルド職員
第87話 お帰りなさい会
ガニーの街への応援に対して留守番役であったヴィクシムが“お帰りなさい会”を開いてくれる。参加者は前のコンパと同じ、ヤンクイユ商会のブリジョゼ、ジェリーヌ、エマニックに対して、ヴィクシム、バスチャン、ジェロである。
「バスチャン、ジェロ、よく無事に帰って来た!お帰りー!」
「「お帰りなさいー」」
「ありがとう!」
「ありがとうございます……こちらお土産です……」
「さすがジェロさん!ありがとうございます!」
「あらジェロさん、武器を装備されるようになったんですね。それ刀ですよね。なんかカッコいいですね」
「はい……」
「そうなんだよ、こいつ、回復や鑑定などの事務職員のはずだったのに、すぐに前線に出て攻撃魔法をバシバシ発動して、ダンジョン最奥でも活躍したらしい。すっかり目立ってしまって。お陰で、戦闘もできるギルド職員の俺の出番がー」
「バスチャンさん……」
「えー、すごいじゃないですか!」
「あれ?鑑定魔法でヴィクシムさんを追い出し、攻撃魔法でバスチャンさんを追い出して、ジェロさんの天下ですか?」
「ちょっと、ジェリーヌ!」
「冗談よ、冗談」
「でもジェロは銅級冒険者にまでなったよな」
「それって一人前ってことですよね」
「そうそう、すごいですね!」
「あぁ、モージャンに行った冒険者は少なくともジェロのことを認めているようだな。特にダンジョン最奥に一緒に行った奴らは何か違うよな。一緒に潜っていたモージャンの女冒険者もガニーにまで付いてくるぐらいだし」
「え!?何それ、どういうことですか?」
すっかり酒のサカナにされて話題の中心となったジェロは、特にジェリーヌなどのオシの強い女性にタジタジなのは変わらずだが、なんだかんだと命の危険がないガニーの日常に帰って来たことを実感しているのであった。
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