第84話 ガニーへ応援からの帰還2

「リスチーヌさんは、あちらの探索の際に同じパーティーになったこともあり、こちらに拠点を移すそうです……」

「ふーん、そうなんだ」

コレットの目線が変であるが、それ以上は言えない。


実は、ガニーの街に戻ってくる前に、

「ダンジョン最奥の出来事を知る私がモージャンに残っていると口封じが怖いから、一緒にガニーに行くわ」

と言われたことを思い出す。もちろんメオンにすぐ相談したが、了承と言われただけであった。


そのリスチーヌの処理、遠征からのメンバの帰還処理が終わったところで、メオンとジェロはマスターの部屋に呼ばれる。

「都度の報告手紙で大体の状況は分かっているが、手紙にできないこと、対面で報告すると書いてあったことを聞かせて貰おうか」

ダンジョン内で起きたこと、ザールと意識合わせして他の街のギルドには伝えていないこと、リスチーヌも含めた12人には多めの報酬で口止めしていることなどを、メオンが簡潔ではあるが十分な内容にまとめて報告をする。

「ふむ、確かにその対応が一番良かったであろう。冒険者からだけでなくその領主たちからか何処かからいずれ漏れるが、時間稼ぎができたのであれば。しかし魔人が2人か」

「ご存じですか」

「実物を見たことは無いが、魔法が得意な人種と認識している。対峙したのに無事で良かった」

「はい、ジェロのおかげです」

「そうだ、ジェロがかなり活躍したそうだな。銅級への昇級手続きもしたとか。良くやった」

「ありがとうございます」

『目線が刀に行っているのは珍しい装備だからではないよね……』

『やっぱりコイツは私が分かっているんじゃないのかな……』

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