第81話 モージャンの後処理
「ザールか。首尾はどうであった?」
「はい、領主様のご指示の通り、ラブリアン、サンレーヌ、ニースコンの街には真相を語ることなく、引き続き街周辺の掃討を任せました」
「ガニーの者達は?」
「ギルド職員の2人、特に上司の方は中々に頭も切れるようで、下手なことをすると逆効果になりそうです。それに生き残った方の魔人が戻って来た時のためにも、大事な戦力は残しておくべきかと」
「わかっている。拙速な口封じなど選ばん」
「はい。それに、ガニーの奴らに何かあればアイツが出て来ます。このまま帰らせても顛末を伝えるでしょうが、もしこの街に居る間に何かあったとしても伝言を残すぐらいはやりそうな2人でしたので」
「アンブリス、Aランク冒険者か……」
「……」
モージャンの領主館で密談がされている頃、宿屋に引きあげたメオンとジェロも2人だけで話をしている。
「最奥で一緒にいた12人。モージャンの冒険者のリスチーヌたち2人も含めて多めの報酬の先払いで何とか他言無用を約束はさせられたが、いつまで持つかな」
「そうですね、ガニーに戻って気が緩んだら、酒を飲んだ時などに話してしまいそうですね」
「まぁそれだけ引き伸ばしたら良いだろう。まだしばらくはこの街でオークやゴブリン退治に参加して貰っておいて」
「リスチーヌたちだけは分からないですね」
「それはこの街のギルドに任せれば良いだろう。それよりも、ジェロはガニーに戻ればDランクではなくCランクに昇格にしないとな。遡及するのは」
「え?」
「何だ、ちゃんと見ていたぞ」
後ろめたいことがあって動揺するジェロだが、メオンの
「Cランクのハイオークを1人で倒していただろう?それにCランク昇格への裏条件、ギルド職員だから知っているだろうが、護衛業務等のためにも躊躇うことなく対人戦ができることも、魔人相手だが無事に達成しているからな」
の言葉に、いったんは安堵のため息を吐くが、
「ん?秘密は言いたくなったときに聞くからな」
と言われ、何までわかっての発言かわからず再び動揺する。
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