第80話 オークダンジョン後始末2

メオンとジェロは再び各街からの代表者の会議に参加している。

「ではガニーの冒険者ギルドから説明をして貰えるかな」

モージャンのギルドマスター、ザールの促しに対してジェロは固まっており、予定通りメオンが説明を始める。

「先日皆様とお話しましたようにオークの発生源を探したところ、既存ダンジョンの近くに新しいダンジョンを発見しました。中はそれなりの広さでオークばかりでしたが、最奥にハイオーク8匹が居て、その奥にはダンジョンコアがありました。その成れの果てがこちらにあります欠片たちです」

「通常の魔物とは思えない大きさであり、ダンジョンコアだったのでしょうな。しかし勿体無いことを」

「はい、ダンジョン内でおさまらないくらいオークを産み出していて力が残っていなかったのか理由はわかりませんが脆かったようです」

「確かに今回新しいダンジョンがそのような大きさで出来たことも、そこからオークがスタンピードとして氾濫したことも、そしてオークとは異なるゴブリン達まで他所で産み出されていたように思えることも、色々と不明が多い……」

「最奥に化物が居たという話もあったようですが」

「はい、結局勘違いだったようです。翌日行っても何も居なかったので。すみません」


「まぁ終わりも見えたことには感謝する。他の街の冒険者達にも、引き続き掃討作戦をお願いできるとありがたいが、いかがだろうか」

「全員残るかわかりませんが、引き続きこの街が平穏になるところまでご協力させていただきます」

「我が街も同様です」


ザールの依頼に各街の代表者は答えて解散となる。残るのはザール、メオン、ジェロの3人だけである。

「まぁこんなところか。メオンは役者だな」

「いえ、事前にご指示頂いた通りです」

「あぁ、領主様から不要な混乱を招かぬようにとのご指示であったからな。あの角の生えた死体、その魔人と呼ぶ奴らの発言した内容、知らなくて済むならばその方が幸せだろう」

「私たち2人以外にも事実を知る12人への口止め、いつまでもは無理かと」

「そこは承知の上であろう。きっと領主様の方で調整するまでの時間稼ぎだろう」

「それを伺って安心しました。口封じされるのは怖いですので」

「さすがにそれは俺でも抵抗するぞ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る