第69話 代表者会議
モージャンの冒険者ギルドの会議室で、各街からの応援部隊の指揮者達が集まっている。
「ラブリアンの街のオーギーです」
「サンレーヌの街のイポリアンです」
「ニースコンの街のセドリユスです」
「ガニーの街のメオンです」
「モージャンの街のギルドマスター、ザールである。応援に感謝すると共に、本日の会議への参集にも感謝する」
メオンだけでなく他の代表者達もザールの発言の変化に驚くも顔には出さない。先が見えなかった魔物の増加に対して、原因究明になるかもしれない期待がザールの心境を変化させたのであろう。
モージャンの事務職員が、街の周辺の地図に対して各街からの応援隊の割り振りエリアを再度説明し、各街からの代表者がそのエリアで退治している魔物の種類を報告する。
「元々この街の周りの魔物の棲息状況はこうでした」
と再びモージャンの事務職員が説明を追加していく。
「つまり、この辺りからオークが展開して、その先のゴブリンを追い出したことが大きな流れと推測することが出来るかもしれない」
「「おぉ」」
初めて聞いた代表者から声が漏れる。
「しかし、まさにこの中心地であるダンジョンの中の魔物の発生状況が変わったという話は冒険者達から上がって来ていない。だから思い込みでこの付近の調査はほぼされていなかった。そこで、このダンジョン周辺の森の探索を行いたいと思う」
「ぜひうちの街に」
「いや、折角ここまで来ているのだ。うちの街も」
「うちの街も負けるつもりは無いですよ」
メオンは発言しないので、ジェロは内心
『良かった。どこでも良いから早く解決してね』
と思っていたら、ザールが余計なことを言う。
「ぜひとも、この可能性に気づいたガニーの街のギルドに確認をお願いしたいと思っている」
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