第70話 代表者会議2

ジェロはメオンの後ろに立っているので、驚愕した顔が見えたわけでは無いであろうが、メオンは思い通りの発言をしてくれる。

「いえ、元々我々は単なる応援部隊。また地元に不慣れであり異変に気付きにくいと思いますので、モージャンの皆様にお願いできればと」

「ならば、モージャンからも何人か派遣する。それでお願いできるかな」

「このことに気づいたのがガニーのギルドであるならば、それで良い」

「同じく」

「同じく」

「ならば、ガニーの冒険者を中心に、モージャンの何人かを追加する部隊で探索とする。ガニーが受け持っていた街道付近の魔物退治には、他の街から分散して当たって欲しい」

その後の詳細は淡々と作業のように決まっていく。


宿屋に戻って、街道付近の退治から帰って来たバスチャンも合流して3人になったところで、我慢していたジェロは吐き出す。

「ザールさんって、うちのマスターのアンブリスさんが嫌いなんでしょ。なんで手柄をガニーに渡すようなことをするんですか!?」

「うーん、本当に素直に手柄を譲ったのかもしれないが、もし失敗してもアンブリスさんの責任になり嫌がらせになるという可能性もあるのかな」

「なんだ、俺はそんな時は各街から選りすぐりを集めて行くのかと思ったよ」

「そうですよ」

「それだと指揮権が曖昧になって失敗しやすい。それに悪意があった場合には、責任が分散するからアンブリスさんのせいに出来ないのかな」

「じゃあ、ガニーの街やアンブリスさんのためにも失敗できないと言うことか。まぁ元々失敗するつもりなんてないけどな」

「はぁ……」


30人の冒険者を集めてメオンが宣言する。

「ガニーの諸君、手柄を得る機会を貰ったぞ!ジェロがこのモージャンの街の魔物急増の原因がありそうなところを突き止めたからだ。ぜひ原因そのものを突き止めて他の街にガニーの街の優秀さをアピールしよう!」

「おぉー!」

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