第63話 街道野営地2

その夜は特に問題も発生せず、翌日も120度の範囲で、その日のうちに戻って来られる範囲の探索を開始する。


留守番のメオンたちも本当はどこかの方向に進んだところで、次の野営地の準備をしたかったが、魔物が異常増加している不慣れな土地で奥に進むには人数が不足しているので、待機することになっている。


しかしその判断が正しかったことが計らずも示されてしまう。

「ゴブリンだ!」

「武器を持てるものは持て!」

街道に隣接する野営地と気が緩んでいたのは否めない。しかし、残っていたのはメオン、バスチャン、ジェロ以外には御者程度の人数しかいない。だからこそゴブリンも侮って攻めて来たものだと思われる。


ざっと数えてみると10匹ほどのゴブリンであった。いずれも片手に持てる剣か棍棒程度の装備である。

御者たちには一応武器を持たせたものの防御に専念して貰い、バスチャンが大剣を持って一番ゴブリンが多い方向に特攻していく。メオンは盾と片手剣というよくある装備でバスチャンとは別の方向に向かう。自然とジェロは御者たちの近くに居たまま2人とは別の方向のゴブリンに向けて≪火球≫を乱発することになった。

味方に当ててしまうフレンドリーファイヤーにならないように気をつけながらの≪火球≫であったが、だいたい2〜3発の≪火球≫を当てるとゴブリンは倒れて行った。

バスチャンとメオンも軽傷すら受けることなく無事に退治したようである。

「ジェロ、ちゃんと活躍してくれているな」

メオンに褒められたあとは、魔石を回収し、武具もマシな物だけ回収して、死体は少し離れたところへ捨てに行った。


そして夕方になり2日目の報告を確認する。

「そうか、今日もゴブリンばかりでゴブリンの村を2つ発見か。それもまずは置いておいて明日は残る120度を探索して貰おう」

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