第57話 モージャンの森
翌朝、隣接する宿屋に分かれていたガニーの街からの冒険者30人が集合している。
「取り敢えず役割分担された森の入り口までは昨日の馬車5台に分散して移動しよう。現地では、その馬車を拠点に、各班に分かれて森の探索を行う。ここでは他者への迷惑になるので急いで移動!」
「ジェロ、その刀にしたのだな。防具は無かったらしいし、まず午前中は馬車で回復部隊として待機して貰おうか。他の冒険者たちと急に組んで行動するのも苦手だろうしな」
「はい、ありがとうございます」
「ジェロには期待しているのだから、その性格をたくましくしてくれると良いのだがな」
「呼びました?」
「バスチャンの肉体ほどまでは、精神をたくましくなくても良いがな。ははは」
「何か誉められたのかけなされたのか良く分からんが、ジェロには俺も期待しているぞ!」
「今日は様子見だ。いったんは昼に戻れる範囲で散り散りに探索してみて欲しい。何か見つけた場合、怪我人が出た場合は無理をせずにこの馬車に戻るように。回復役のジェロマンが治療する。その際、どこでどのような敵が居たのか報告をして欲しい」
「よーし、競争だ。今夜の酒を賭けていこうぜ」
「負けてられるか」
冒険者たちの士気は高く各方向に散開していく。
順次帰って来た冒険者の話、討伐記録の確認についてメオンを中心にジェロが補助しながら行っていく。最終的に昼までに集まった際に得られた情報として、ゴブリンとの遭遇率が異様に高いこと、さらにゴブリン村が別方向に2つ見つかったというものであった。
怪我人はほんのかすり傷ぐらいだけであり、特に問題は発生していない。
ゴブリン村はともにそれぞれそれ程は大きくない村ということで、30人の冒険者を二手に分けて向かうことにした。片方にはバスチャン、もう片方にはジェロが念の為に付いていくことになった。
オークもそうであったが、動くゴブリンを見るのも初めてのジェロは少し緊張気味である。
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