第37話 軽病治療魔法と解毒魔法3

夕方になりシスター・フロラリーが様子を見に来る。

「どんな感じかな?また次の休みの日にも来る?」

「いや、多分大丈夫。後は実習していくね」

「さすがジェロだね。前にも言ったけど、神殿への寄付を減らした分、自己研鑽を頑張ってね。冒険者ギルドも期待しているだろうけど、私も成長を期待しているからね」

「分かったよ。ありがとう」



翌朝ギルドに行った際に体調不良な人を探すと、ヴィクシムとバスチャンがまさにと申告してくる。

「昨日、ジェロがどっか行って居なかったから2人で飲んでいたんだよ」

「それで、同じ店にいた女性2人と意気投合して。そこまでは良かったんだけど」

「どうしたんですか?」

「あの2人、ウワバミ、底なしだったんだよ!」

「しかも調子に乗って奢ると言ってしまったから……」

「そこはまだ良いとして、だから二日酔いなんだよ……」

「うー、しんどい。水をくれ……」


ジェロは呆れながら≪解毒≫魔法を2人にかける。前世の記憶で、二日酔いはアルコールを体内で分解する途中で作られるアセトアルデヒドという有害物質が原因と分かっているので、まずはそのアセトアルデヒドという毒を≪解毒≫したのである。念のために≪軽病治療≫もかけておく。

「おぉ!すごいぞ」

「あぁ、こんな簡単に治るなら、今度からもジェロに頼もう」

「嫌ですよ」

とは答えているモノの、新しく習得した魔法がしっかり効果が出たのが嬉しい。


『本当に楽しそうだね』

『やはり前世に無かった魔法は覚えるほど楽しいね。ヴァルには当たり前かもしれないけど』

『まぁね。でも今は私も自由に使えないから。早く私と契約してくれれば……』

『俺の魂はあげたくないからね』

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