第36話 軽病治療魔法と解毒魔法2
病気の治療と解毒について前世記憶を元にイメージしてみる。
病気の原因としては細菌やウィルスなど色々があるが、ジェロとしてはそれらの駆除と、血液中の白血球を活性化させて、痛んだ部位の復旧を考えてイメージする。≪治癒≫で怪我を治すときに血小板を活性化させたのと同様である。
解毒に対して、毒蛇などへの抗体、血清という単語を思い出す。薄くした毒に対して体内で毒を中和する抗体ができる、それを血液採取して濃縮するのが血清である。これも白血球の働きであるとの記憶である。
リンパ球やNK細胞、T細胞という単語も何となく覚えているが、詳細は思い出せない。
結局ジェロは、体に良く無いものが入ったものへ抵抗する白血球の営みを強化すれば、病治療や解毒に繋がるとイメージすることにした。
前世では有名であったがん細胞もリンパ球が攻撃するのであるから、白血球よ頑張れ、だと認識した。
ただこれら2つの魔法の練習を開始してみるが、実際に治す場面を見る回数も≪治癒≫魔法に比べて圧倒的に少なかったこと、たとえ見ていても体の内部の変化を外部から見ることは出来なかったため、自身のイメージ以上を具体化することは出来ない。
それに、これらは≪治癒≫の訓練でやったように自分に小さな傷を作って実習するなどの方法が取れない。意図して毒を飲むことは出来るが失敗すると大変であるし、病気になるのはもっと大変である。
『ヴァルは、病にしたり、毒状態にしたりする魔法が使える?』
『悪魔だからね、元々は使えるわよ。でも、今はちゃんと契約をしていないから出来ないままよ。あくまでも魔力を貰って姿を現して会話するぐらいしか出来ないことは最初から話している通りよ』
『だよねぇ』
仕方ないので、自身を対象に何度も練習することで何となくは成功した感じがつかめた後は淡々と詠唱短縮、詠唱破棄に向けて引き続き練習するのみであった。
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