第14話 魔術語2
ジェロはヴィクシムのために(現代)魔術語の例を書き出す。
火魔法:初級≪種火≫ignis-generate、≪火球≫ignis-globus、中級≪火炎≫flamma
風魔法:初級≪そよ風≫ventus-generate、≪風刃≫ventus-ensis
水魔法:初級≪水生成≫aqua-generate、≪水球≫aqua-globus
土魔法:初級≪砂生成≫arena-generate、≪石球≫lapis-globus
光魔法:初級≪灯り≫lux-generate
回復魔法:初級≪治癒≫sanatio、中級≪回復≫recuperatio
アルファベットや平仮名のように限定された文字種だけのBASIC言語のようなものが(現代)魔術語であり、漢字混じりのように無数の文字種のマシン語のようなものが古代魔術語である。主に初級魔法の(現代)魔術語ならジェロには簡単な仕事であった。
「このギルド保管庫でよく見るのはこれぐらいですね。見てお分かりのように結構似たような単語の使い回しもありますよね。覚えるのは限定的かと」
「おぉ言われたら法則も何となく。それに実際にはほとんどがこんな程度だったんだ。これを見ながら覚えるよ。ジェロ、ありがとう!」
抱きつかれるが何とか振り解く。
「そうだ、これが≪簡易鑑定≫の魔導書だ。俺は業務で必要だから夜だけなら貸せるぞ」
「本当に良いのですか?ありがとうございます!」
「あぁもちろん。それよりよく魔術語なんて覚えているな。それも神殿の教えか?」
「えぇまぁ……」
『私のおかげだよね』
『そうだな、感謝しているよ、ヴァルには。だから≪簡易鑑定≫魔導書も教えてね』
『ちゃっかりしているなぁ』
早く魔導書を読みたいジェロは、魔法カード整理のラベル作業を直ぐに終わらせる。褒美の1枚も、珍しいものはなかったのでカリグラフィーの美しい物を選んで、カードフォルダを作業台から保管棚に戻す。
ヴィクシムの仕事も終わったので直ぐに魔導書を借りて、
「ヴィクシムさん、お先に失礼します」
「おぉ、お疲れ様」
と呆れた顔で見送られるジェロであった。
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