第7話 治療の後フォロー2

 ヴィクシムと話をしているところへコレットが戻ってきて声をかける。

「ジェロ、後フォローはしておいたわよ。銀貨11枚、分割払いして貰うことになったわ」

「え?」

「分かっていないみたいね。確かにポーションは、中級≪軽病治療≫と初級≪治癒≫で銀貨5枚と1枚よ。でも、その後にジェロがその≪治癒≫より効果がある回復魔法を使ったでしょう?」

「あれ、≪治癒≫です……」

「やっぱりそういう認識ね。ダメよ、神殿と揉め事を起こすつもり?普通の≪治癒≫より効果があるのだから中級≪回復≫と同等の費用、銀貨5枚を貰わないとダメなのよ。そうでないと冒険者ギルドに行けば神殿より安く治療をして貰える、なんて話になったら困るでしょ。ポーションの価格もそれを踏まえた設定なのは知っているでしょう?」

「はい……」

「わかれば良いわ。まぁ、あんな女の子がどうにかなってしまうのは回避できたのだし、ジェロは良くやったわ」

「はい、ありがとうございます……」

「コレットの言う通りだ、良くやった。褒美もやるが、まずは神殿に経緯説明に行って来い」

「え!ギルドマスター!?」

「たまには顔を見せて来い。給与からの天引き寄付だけでしばらく行っていないだろう?褒美は帰って来てからだ」

「はい……」


『あら、彼女の顔を見られるじゃない、良かったわね』

『分かっていて言っているだろう……』

『もちろんよ』

『……』

 ギルドマスターに言われた通り、しばらく神殿には帰っていない。孤児院で育てて貰ったこともあり、給与から孤児院への金銭送付はしているのだが、足が遠のいている。

 マスターからの業務命令でもあり、孤児院の子ども達への差し入れを兼ねて、お腹が膨れるお菓子を手土産として購入し神殿に向かうジェロであった。

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