第6話 林檎は先生そして復讐と家族

7月1日 先生を殺すための作戦を実行する

  2日 失敗、■■はドロドロに溶けた

  3日 失敗、■■は溶けなかったが、口や消化器官が無く、餓死した

  4日 失敗 5日 失敗 6日 失敗

  失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗。 

7月24日 成功 ■■はドロドロに溶けずにちゃんと消化器官がある突然変異種の完成だ。次は......。

7月25日 メスの■■と交配させたところ、孵化する速度が遅い物体が発生、予想するにこれが変異種の遺伝子を多く受け継いだ子孫と仮説を立て、その物体の遺伝子を少しずつ自分の欲する物体へと変えるように少しずつ変えていく

7月26日 ようやく完成した。 人間の胃酸に耐えることができ、かつ〝雑食性でよく食べる″個体が出来た

7月27日 大量の■■■をたくさんのリンゴに忍ばせ、慎重に保管し、近くに食紅を置いておく

8月22日 食紅を丁寧に塗り、それを学校に持って行った。先生は全員そのリンゴを食べた。すこしして異変に気付き始める。そのリンゴは■■■いた。あるものは叱り、あるものはトイレにあるものはパニックに、みんなみんなそれはとても気分がいいほどに満たされていた。昨日殺した親友も、これから殺す予定のやつもみんな楽しみで仕方がないほどに満たされていた。しばらくすると〝みんな出てきた″先生は死んだ。〝みんなはそれを食べ始める″俺はその場を後にした。

8月23日 最後のいじめの主犯を殺す

8月24日 ■■の■■を■■■へ放り込んだ

8月25日 登校日に向けて準備を始める

9月1日  最初で最後の登校日だ

9月2日  学校の屋上で誰か来るのを待つものの来ず

  3日 来ない4日 来ない 5日 来ない 6日 来ない 7日 来ない 

9月8日 自身のアカウントへの謎のアクセスから16日が経った

9月9日 誰かを殺したくなった

                ※

 昨日の動画から岸田 和樹という少年の名前をネットで入れると最近ではどこの学校に通っているのかがすぐに分かるようになっており、この子の通っている学校がすぐに分かった。

 検索して出てきた学校は....俺の母校。滋賀小学校だった。

                ※

 誰も来ない、あの動画を出してからすでに1日が経ち、今もなお誰も来ない。なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで.....なんで来ないの?

                ※

 次の日、早速学校へ向かおうと車を走らせたが運が悪く、スピード違反者の車を見つけてしまった。(はぁ.....これは明日になりそうだな)

 俺は急に右回りし、スピード違反者を追う。

                 ※

 夜、俺はアクセスしてきた奴らから奪ったデータや資料を見ていた。

 予想は的中していた。身元がバレない様にと何重にもロックしたにも関わらず驚異のスピードで解除してきたためウイルスをばら撒き、その隙にまたあらたな壁を構築して、ウイルスを無限生産させ、そうしてようやく手に入れた代物。

 そんなのはだいたい想像がついていた。(やっぱり.....〝警察官″か)

 そこで俺は今夜、即興で考えた一か八かの策に出ることにした。

 さっそく準備に取り掛かる。手に持つのは一つのUSBメモリーそして独り静かに笑っていた。(君は僕を捕まえることはできない)彼は血肉に飢えた獣と呼ばれるのは別の話。

                 ※

 スピード違反者を捕まえた後、俺は夜も近いことから近場のホテルで一夜を過ごした。

 次の日、いそいそと学校へ向かう。学校はとても静かだった。グランドを見ると少し赤い液体があった。

 そして俺は気づいた。(見てるな) 2階の一室からの視線に気づいた後は早かった。俺はすぐに玄関へと向かった。

                 ※

 (気づかれたか) 

 俺はそれよりも気になったことがあった。〝なんで一人で来た?″

 俺は当初何十人も来ると思っていた。そのためにたくさんの準備をしたのに拍子抜けだった。

 とりあえず放送室に行くか。俺は放送室へ

                 ※

 まずは、先生方に今回の来た理由を伝えようと思い、俺は職員室へと向かう。

 職員室は2階にあるがおそらくやつとは会わないと確信していた。既に来た事がバレてるのならおそらくやつは2階にはいない。そうして俺は中央階段を上がり、職員室のドアをノックしてから開ける。

 そこは別世界だった。事務員も先生もいない。いるのは.......ウジ虫とたくさんの白骨死体だった。

 ウジ虫は死んでいた。まるで食べるものが無くなったみたいに。

 すると、ピンポンパンポーンというチャイムの音が鳴る。

「今から言う場所へ行け。逆らった場合、お前を殺す」

 放送でやつの声がする。案の定、ボイスチェンジャーか何かを使い、話していた。

 俺は素直に従うことにした。俺は逮捕する前まで人は対等な立場にあると考えている。たとえ、それが犯罪者だとしても、何故こんなことをしたのか(せざるを得なかったのか)知りたかった。

 「まずは.....2階の職員トイレに向かえ」

 言われたとおりに俺は歩き始めた。

                  ※

8月22日、俺は学校へ向かった。たくさんのリンゴを籠に入れて、

「先生、おはようございます。これ差し入れです。全員分あるので一つずつ配っていきますね?」

 全員に行き渡ってから「どうぞ召し上がってください」と言って〝みんなを″食べた。それを見て俺はつい口元がニヤッとなる。

 そのリンゴは俺が育てた〝みんな″が詰まった■■リンゴ。

 あれから更に改良して、色もそっくりで食欲旺盛な子供たちにしていた。

「ありがとう。■■くん、これはどこで買ったんだい?すごくおいしいよ」

 そういってくるのは俺の担任だった。口ではこう言っているがきっと本心ではない。だから.....

「あ―.....。〝それはウチで育てたやつです″。品種改良して種なしにしたんです」

 子供たちが食べちゃっただけなんだけどな。

「....ん?...何か....動いて.....?ってこれウジ虫じゃ....?」「.....え?」「嘘ぉ」「....食べちゃった.....」

「っ!いいいいいいいいいいいいやああああああああああああああ!!」「うわああああああああああああああああああああ」「きゃああああああああああああ」

 みんな一斉にパニックになり、トイレや手洗い場へ駈け込む人沢山いた。

 一方の俺は冷静だった。

「■■くん!後でなんでこんなことをしたのか聞くからそこで待ってなさい!!」

 「?」何をおかしなことを言ってるのだろう?帰るわけがないじゃないか.....〝みんな死ぬんだから″。

 後5分もすればここ一帯は血まみれの花を咲かすのだからそれを見届けるのが〝親″としての責務。俺はその間近くの本を読んでいた。

 5分後。子供たちは汚い血だまりからたくさん出てきた。そしてすぐさま肉を喰らう。

「フフっ.......アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 その光景を目にした時、なぜこの殺し方にしたのかを思い出す。

 リンゴみたいに外面(そとづら)だけ良くても内側は腐っている。

 それは先生という屑たちそのものだった。

 みんなは必死に肉を喰らう。生きるために、そして........〝人を殺すために″。

 明日にはきっとここには骨しか残らないだろう。俺はこう言った。

「〝じゃあね林檎(せんせい)″」

8月23日、やつを学校まで呼び出す。

 それは8時ちょうどに来た。やつは市のグラウンドへ足を踏み込む。そして

「なんだよ。お前急に呼び出して」

 俺はやつに銃を構えてこう言う。

「決着をつけに来た」

「....は?」

 刹那、鉛玉が奴の腕を引きちぎる。

「....え?......ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ痛い痛い痛い痛い痛い。ヴ...おぇええええええええええええええええ!」

 奴はみじめにも今朝の朝食を吐き、それは赤く彩られた。

 続けて足を狙い、撃つ。

 バァン!

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだい。ゆるざねぇ!ぜっだいじぶっごろじでやる」

 怒りと涙でその顔は余計に見るに堪えない顔に思わず笑う。

「フハハハハハハハハハハ。何言ってんの?殺されるのは......俺じゃなくてお前だよ(バァン!)」

「ぎゃああああああああああああああああああああああああいだいいだいいだいいだいいだい.......って俺......?お前が俺とか言ってんじゃねえええええええええ!!」

左足に撃つと、生意気にもそんなことを言うからこう言ってやった。

「そんなの自由だろ?だから俺もお前を殺すよ。自由にな!!」

 いつしかそんなことを言って来たから言い返す。

 バン!左腕に命中し、それは宙に舞う。残り2発

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああやめでえええええ......なんでも.....なんでもずるから許して(バン)ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ」

また撃つ....今度は左脇腹に命中。

「そうか....なら今まで俺にしてきた苦痛を味わって死ね!!」

「いやだ!じにだぐない。許して.....ヴっ」

 胸倉を掴む。顔を殴る。何度も何発も殴る殴る殴る。

「グッ....ボェ....ヴ...ガッ.....アガッ.....ヴルジデ......!!許じで.....ぐだ.....ざい.....お願い......じま.....ず」

 やつは大粒の涙を流すから可哀そうだと感じ.............るわけない

 俺はそいつをグランドから〝例″のトイレの方へ引きずりながら行く。

 その間も「許して.......許して.......」とずっと涙を流して鼻水を垂らしたその顔は原型を保ってはいなかった。

 トイレにつくとそいつを子供たちが群がっているところへ放り込む。

「...え?.....いたい...?痛い痛い痛い痛い痛い痛いやめてくれええええええ!!」

 腐臭がする中でその声はしばらく続いた。

8月24日体育館にある仕掛けをした。そして様々なところに改良を施した。

 その夜、父と母が自身のクレジットカードの明細を持って俺に詰め寄って来た。

 だから殺した。二人とも同時に殺してあげた。だからきっと本当に愛し合っているのなら大丈夫。前々から両親の中は悪かった。そして二人とも別の人と過ごすところを偶然俺は見ていた。だからきっと神様は許してくれるはず。こんなにも苦しかったのだから.....殺しても問題ないよね?

                 ※

 指示に従いながらトイレに向かうに連れて、異様な匂いが鼻に来る。

 その匂いは血なまぐささや死体からの腐敗臭などが入り混じった臭いだった。

 鼻をつまみながら奥に進む、ようやくトイレに着いた。

「まずは女子トイレから見ろ」

 おそらく近くにカメラがあるんだろうと思い開けると.......。

「うッ.....」

 一瞬吐きそうになったが何とか耐えた。

 そこには大量の白骨死体とウジ虫の死体がいた。

「次は男子トイレを見ろ」

 開くとそこにもまた骨がある......が一番上の顔の骨は他のとは違いヒビがたくさん入っていた。

「そいつは俺を虐めた一人だ。動画にはしてない」

 やつはしっかりと説明してくれた。ここでは何があったのかなど、すべて.....ときどき耐えられずに吐く場面もあったものの最後まで聞き取れた。

「次は......体育館だ」

 俺は体育館へ向かおうともう一度来た道を戻り始める。 


 

 

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