第4話 汚れを落とした性奴隷
エルフの女の子はお風呂に行った。メイド達の手を借りて綺麗にしてもらうのだ。汚い姿では家に帰せない。
俺はいつもの茶色いスーツに勇者の剣を腰に装備した。
俺が彼女を家まで送るつもりだった。他の人に頼んでもいいけど、俺だって息抜きに色んな場所に行きたい。街に引きこもっていたら病むもの。
だから、たまに奴隷で売られていた子を家に送るという仕事、←息抜きをしているのだ。
彼女をお姫様抱っこして走って連れて行くのが一番早いけど、逆に俺が早すぎてエルフの女の子が耐えられないと思う。
ドドンパ以上の速さが出るもん俺の足。ドドンパってすごい速さのジェットコースターのこと。
あんまり得意じゃないけど彼女を背中に乗せて空を飛ぶことも考えた。でも落ちたら? と考えると安全じゃない。
やっぱり馬車だよね。快適で新しい馬車もあるし。
でも馬はそんなに早くない。馬でエルフの森まで行けば3日はかかってしまう。
かといってチョ◯ボみたいな鳥を使うのも馬よりは早くなるけど、運転が荒い。ちなみに小さい恐竜みたいなヤツは力強くて重い馬車をひけるけど遅い。
召喚する事に決めた。ちなみに俺は魔法、召喚、剣術、は最強である。
だけど俺TUEEEEEEからと言って異世界が楽しいわけじゃない。普通に日本に帰って家族に会いたい。それが叶わぬ夢なのだから言ってもしょうがないけど。
君に決めてみた、と俺は言ってユニコーンを2体召喚した。
君に決めてみた、というのは召喚する時の決め台詞である。とあるゲームの決め台詞を、そのまま使うのも何だしと思って、ちょっと変えて使っている。別に言わなくても召喚はできる。
ユニコーンは額に角が1本付いているロバである。
本当のユニコーンを知らない人間は馬だと思い込んでしまう。ちょっと馬よりも間抜けな顔をしているのだ。でも馬よりも少しだけ大きい。
全身が真っ白で、ロバだけど断然に馬より早い。何だったらユニコーンは魔法でちょっとだけ飛ぶ。
永遠に飛び続けている訳じゃなくて、本当にちょっとだけなら飛ぶのだ。障害物を避けたり、崖を飛んだりするのだ。
飛ぶというよりジャンプすると言った方がいいのかな? その程度に飛ぶのだ。
空を永遠に飛び続けるのはペガサスである。ちなみにペガサスは馬である。
でもペガサスより俺はユニコーンが好きだ。
2体のユニコーンが頬を撫でろと目で訴えかけている。
彼等は喋るわけじゃないし、言語を使えないので思念ができるわけじゃないけど、何となく言っていることが目でわかる。目で伝えるというスキルなのかもしれない。
ちなみにユニコーンの名前は『フルギ』と『トウモロコシ』である。俺の名付けセンス。
久しぶりに会った愛馬の頬を撫で回すと、間抜けな顔がちょっとだけ笑ったような気がする。コイツ等は表情が豊かなのである。そこも可愛い。
「森の中にあるエルフの村を知ってるか?」と俺は尋ねた。
「森までなら知ってるか」
「ココならどれぐらいかかる?」
「寝ずに走ったら1日もかからない。さすがだな。でもちゃんと休憩は取ってもらうぞ」
「わかってる。お前等の餌はたんまり持って行く。それにポーションだって飲ませてあげる」
喜んでいるらしく、フルギとトウモロコシが俺を舐めてくる。
「どうしてエルフの村に行くかだって? これから女の子をエルフの村に帰すんだ」
「俺の彼女じゃないよ。奴隷の子を買ったんだ。だから家に帰してあげるんだ」
「偽善者だって。お前、そんな言葉どこで覚えて来たんだ。難しい言葉を知ってるじゃないか。よしよし」と俺は言って頬を撫でる。
大豪邸の大きな扉が開いた。
そこから執事のセバスチャンが出てくる。ごめんなさいセバスチャンという名前じゃないです。セドリッグって名前です。なんで執事の名前はセバスチャンというイメージがあるんだろう? ググりたいけどココには検索エンジンどころかパソコンがない。
「ご用意できました」
と執事のセドリッグが言った。
そして家の中から、エルフの娘が出て来たのだ。
汚かった娘は、お風呂に入れられて汚れを取られていた。
この世のものとは思えないぐらい美しい。
綺麗なパッチリ二重の瞳は青く、唇はピンクだった。
ボロボロだった服を着せ変えられ、白いワンピースを着せられている。
綺麗な黒髪は艶やかで、肌は透き通っているぐらいに白かった。
素材がいいのだろう。
正直に言うと美しすぎて、ちょっとだけ見惚れてしまった。
こんなに綺麗な子だったんだ。エルフには美形が多いけど、そのエルフの中でもグンを抜いて美しい。
ユニコーンが俺の服を引っ張る。
「なんだって? バカ。そうじゃないよ。嫁じゃない。今からこの子を家に帰すんだ」
「ハネムーンじゃねぇーよ」
俺には日本に家族がいるのだ。
この世界で結婚はしない。
馬車の扉を開けて、「どうぞ」と言って美しい女の子をエスコートする。
馬車の中にはソファーがある。そこに彼女を座らせた。
ちなみに、この馬車はキャンピングカーを意識して作らせた馬車である。だから彼女が座っているソファーはベッドになる。
それに魔力をちょっと消費するけどシャワーも浴びれる。シャワー室があるのだ。
小さいけどキッチンもある。ココで食事を作ることもできる。
「用意を済ませたら出発しよう」
俺等の食事とユニコーン達の食事を四次元ポケットに詰め込んだ。
この世界に来てから使えるアイテムボックスである。四次元ポケットと俺は呼んでいるけど、別にポケットは無い。
なんか見えない箱が俺にはあって、そこに無限に物を詰め込んだり、保管できたりするのだ。
生物を入れても死なないし、熱々の食べ物を入れて一年後に取り出しても熱々の状態のままである。しかもイメージできれば、すぐに取り出せる便利なモノ。
俺が馬車に乗るとユニコーン達は手綱を握る人間がいないのに、走り始めた。
ユニコーンの最大の特徴は賢いことである。自分達で考え、最短ルートを通って走ってくれる。
俺は彼女の隣に座った。
その美しさに目を奪われ、頑張って目を逸らした。
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