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尾八原ジュージ

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 木の軋むような音がする。


 暗がりをぼんやりと見つめながら、今更のように考えた。

 ああ、言ってたな。

 こういうのはよくないことだってみんな言ってた。

 私もわかってたんだけどな。

 後悔してるときにはもう手遅れなんだ。

 まぶたを閉じて、目の前を真っ暗にして、耳を塞ぐと、ほんの少し現実が遠ざかった。 

 いつだっただろう。きっかけらしきものがあったのは。

 私は無為に考え事を始める。


 確かあの頃、季節はまだ秋だった。

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