幸せ過ぎる
「これって、MARSのバックじゃない!高級じゃないけれど、中くらいのブランド」
私は、お金持ちは嫌いだった。お付き合いとか色んな事が大変そうだし、いつもピシッっとしてなきゃいけないイメージがしていたから…。同級生の夕凪ちゃんが、そうだった!綺麗な服を着せられてピシッとさせられていた。色んな教養も受けさせられて、正直それはそれでめんどくさそうだと思った。後、成り上がったお金持ちさんも大変だと思った!同級生の原田君がそうだった。最初は、普通だったのにお父さんがどんどんお金持ちになっていった!そしたら、そういう付き合いが増えてきたのか可哀想に乱暴な口調はとたんに穏やかになった。
そして、私のような貧乏も大嫌いだった。
だから、中間ぐらいがよかった!!普通って呼ばれる基準ぐらいな人。
同級生の亜里沙ちゃんみたいなお家!習い事もそれなりにして、夏休みはダラーってだらけても怒られなくて!欲しいものは買えて、家族は全員一緒にご飯を食べた。それが、いい!そのくらいが、いい!
だから、この人は丁度いい。
煩わしい人間関係を持っていなさそうだし、平日にゴロゴロ出来そうだし、目の前に見えてるロボット掃除機が掃除をしてくれてそうだし!
私は、洗面所に行く。千秋さんが、洗濯のスイッチを押していたようでドラム式洗濯機が乾燥までやってくれるようで動いていた。
朝は、朝御飯も並んでいたし。
もう、理想の理想じゃない。子供なんかいらないわ!あんなやかましくて汚くて、何の役にも立たない存在はいらない。
蛙の子は、所詮蛙にしかなれないの。鳶が鷹を生むなんて、そんな事は有り得ない。私は、なりたくない人間になっていったもの!
だから、生きていたくなどなかった。
だけど……。今は違う!生きていてよかった。
私は、キッチンに向かって冷蔵庫を見つめる。貼り付けられた電子メモに【甘いもの買ってるから食べてね!千秋】と書かれている。ハートマークがたくさん書かれていて、磯部葵は愛されてるのがわかる。
可哀想な人!こんなに愛されて幸せなのに、赤ちゃんを切望するなんて!私は、冷蔵庫を開ける。目に入ってきたのは、アップルパイだった。取り出した!アップルパイに貼られた小さなメモに【アイスクリームを添えて食べて】と書かれていて冷凍庫を開けた。
中ぐらいの価格のアイスクリームが並んでいる。
私は、バニラアイスを手に取った。キッチンに置いて、キョロキョロと見渡す。
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