第5話 身分の違い

 こうじは今、城下町を歩いている。いやっ、城下町ではないがそのようなところを歩いていた。そこは、人、人。の中に少ないがいわゆる獣人のような人がいた。獣人なのかと、獣人ならば何故いるのかか聞こうと前を歩く人見る。

 そこには、人でもなく、獣人でもない。

 耳の長いことからエルフだと思うが、確かなことは女性というところか。髪は短く体型は小柄、はじめての村だと歓喜していたところで一言声をかけられ、


「こい」


のたった一言いうと歩き出した。何だこいつと思いつつ名前を聞いた。

 すると


「こい」


といった。

 こうじは、


「は〜」


と聞こえるようにため息をついた。そして


「だから名前を聞いてるんだけど」


と聞いた。だが、


「こい」


としか言わない。

 このあと2度名前を聞いたが、1度目は「こい」とさっきと同じようにいった。2度目は、「こいっつってんだろ!」とイライラしたようにいった。これ以上は流石にやめとこうと思いそのまま歩きいて、今に至る。

 そんなこともあってか、きくに聞けない状態であったがなんとか声をかけた。


「えっと、少しいいかな」


 と、いったん話せるようにしようと軽く声をかけた。すると


「何だ」


これは、、聞いていいのか。

許可をもらったこうじは、聞きたいことをきいてみる。


「人の中に耳が犬や猫みたいな人がいるけど、獣人であってるかい」


 子供に聞くかのような声でいった。その子のこたえは、


「そうだ。だが、人とは異なることが一つ、身分の差だ」

「身分の差?」


 元の国でもそうそう聞くことのなかった言葉にこうしは困惑した。

 オウム返しされて知らないと勘づいたのか説明をし始めた。


「この国、桜鈴では、4つの身分と、1つの特殊な身分、合わせて5つの身分で成り立っている。低い身分から説明すると、


人…一番低い身分で主に労働者の中でも生産職が多い。手の起用さは一番。

獣人…人の次に低い身分で主に労働者の中でも輸送職が多い。力強さは一番。

エルフ…逢魔がいないときは、長老が代理人として立つ。魔力の多さもなかなかだが、剣や

弓を多く用いる。

逢魔…この国で最も位が高く、数が少ない。何かの適正に偏るか、バランスよく全ての適正               

   にあうかの2パタ−ン。


 そして、もう一つの特殊な身分は


魔人…この国で最も強い3人を呼ぶ。いつもは人の生活に紛れ込んでいるがあるときには、

   逢魔より位が高くなる。


 の5つで、高い身分は低い身分を守らなければならない。これが破られたことは一度もない。そのかわり税を納めるのが、人と獣人、エルフの一部のしごとだ」


 こうじは曖昧に理解しながらも、この状況について困惑する。

(なぜこいつが案内してる?)

という疑問が出てきた。すると、


「着いた。おい!見てみろ!これが中央。逢魔が住む場所。

 [宵の口…桜座]

だ」

 

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