第4話 異世界に呼ばれたわけ


 人の記憶は、およそ200年分しか覚えられないらしい。

 いや、それは人だけではなく他の動物でもそうだろう。例外を上げるとイルカは違うだろうとのことだ。その違いは、脳の何%使っているのかというところだ。

 イルカは20%程で、それ以外は、10%程度しか使っていないそうだ。いや、使えないといったほうが正しいか。

 なぜこんなことを言っているか、それは私が記憶喪失になったことに繋がっている。私の前世はおよそ50年、それとあの男がいた場所にいたのはなんと200年だそうだ。それなら記憶喪失になっても不思議ではないか?


 (え。なんで言葉がわかるのかって?あの男が色々言ったあとに「いってらっしゃい」と言ったら周りが暗くなって少ししたら、青と緑それと白しか見えない草原にいた。そして男が言っていたこと以外であの場所にいた記憶がない。前世は思い出したが…

この状況はどうしたらいい?)


 こうじは驚きながらも周りを見渡した。

 こうじは細目で周りを見渡し、遠くに村のようなものが見えた。遠くにあるが行くしかないと覚悟を決め歩き出した。こうじは歩きながらあの男のことばを思い出した。


 「まず一つ言うなら、200年まえに呼んだのは、あなたを渡界人として呼び、こちらの世界に文明を作って、いや創造してもらうためです。美しいものを見てきたあなたは適任ですし、うまく行けば文明を木のようにできると思ったのですが、なにぶん初めての挑戦ですしあなたが住んでいた世界と、こちらの世界を時空を使って繋げた結果。あなたの体に痛みが走り200年以上の記憶が入ったということです。まぁ、それから努力して150年前に他の渡海人を呼び、文明を作ってもらい。木になる前くらいになりました。しかし、その渡界人が死に、今まで命令を聞くだけだった人々が頼れるリーダーがいなくなったせいで、文明の進化が止まったのです。停滞した世界は動き直すのは大変で渡界人が考えたことを理解しないといけないのです。」


 言われたことについて頭を痛ませていると、一つのことに気がつく。


(この世界には、魔法と呼ばれる力があるらしいが)


 こうじには分からないことについての好奇心と、これからやっていけるのかという不安があった。


 20分ほどで村までたどり着いた。

 その時、こうじは、はっと気づく。


 (言葉は通じるのか?)


 ここまで来てやっと気づいたこうじは、不安すぎて迷って迷って帰ろうとしたときに、後ろから声をかけられた。


 

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