第44話 たった孤独の戦いをするということ

七は

一人でいる。

ここは、二つの柱がある。

そこでは霧が回りを囲い、七を囲う。


霧が晴れていく。

目の前にいるのは。

針が不格好に組み合わせられていて、剣もゴチャゴチャと内部にある。

形は何だか歪だ。

手があるようだが、それもゴチャゴチャしている。

七は、落とされここにいた。

戦い方は分からないがここにある。

七は、小さく笑う。

怖いのに、彼女は笑う。

「……戦い方は分からないのに…こんな所に落とされる……私の人生らしいな」

腕がまずは振られる。

七の体へ何かがガンッとぶつかってくる。

七は体が飛んでいく。

七は、空中に飛んでいて、痛みはあるのに。

空の中で辺りを見る。

遠くに塔や、白灰色の建物がいくつもある。

その果てに青い海がある。

「……せかいってひろいんだ…………?」

七は世界なんて知らない。

痛みの中、もっと先に何があるんだろうと考える。

七は落ちていく。

「うわあ!」

落ちて、地面に当たったら痛いと思えるが。

七は落ちながら手を広げる。

「落ちてく…!」

そこへ、腕がまた振られる。

七は丁度よく、上に乗る。

「よ、よーし!」

七を叩き潰そうと他の腕二つが近づいてくる。

腕から何となく降りてしまった。

結局地面に当たる。

このままでは。

「落ちる………か………」

青い輝きが光る。

鎖はジャラッと現れ、フワフワと地面に降りる。

「……の、能力さん……あ、ありがざます………………怖かった……」

七は地面に手をつけて着く。

「ふ、ふあ……………何とかついた……はあ」

七は息を何度も吸って吐く。

「こ、怖かった……ちょっと楽しかったけど」

針と剣の生物は思いきり体をねじり、腕を振る。とても速い。

七は腹へ腕をぶつけられる。

また飛ばされていき、地面に倒れる。

けど、立たないといけない。

痛くても立たないと。

七は片膝をついて、立ち上がる。


七の力はとりあえず、この鎖に締められ、弾けた時に相手に触れると消せるようだ。

七は考える。

また腕が振られる。

腕を振ることが相手の攻撃のようだ。

そこへ手を向けてみるが、まだ鎖に巻かれた腕はまだ反応しない。

針と剣の体がガチャガチャと内部で動き始め、まるで時計の針のような形へと変わると七の方へと振られる。

七は、目を閉じる。

つぶされ……………。

て、ない。

鎖は現れると時計の針の形を防いでいる。

「……………あ。どうして」

鎖は守っている。

七はギュッと自分の手を握る。


七は、下から出ると。

針と剣の生物は動いてない。

七は、回りを見る。

「どうしよう………」

七は考え、回りを見ると。

何かある。

地面に赤い水晶があることに気づく。

「何だろ」

七は、向かってみて、触ってみると、冷たい。

「冷たい……?」

針と剣の生物はビクッとする。

「?」

赤い水晶にふれる。

「冷たい…………」

七は、握ってみる。

そうすると、ぽろっと取れる。

「取れちゃった」

少しだけ、温かくなる。

そうすると、動き始めた時計の針のような形は、動きを止める。

「動き、止まった……?」

赤い水晶は他にもある。

他の場所にも行くと握る。

やはり取れる。

「冷たい………」

次々と握っていく。

針と剣の生物は止まったが、自分の本体へ時計の針のような形を戻す。

戻すと、それは。

ゴチャゴチャした腕はザアッと現れる。

七へと多くの腕は七へと突き刺さろうとする。

七は、鎖に言う。

「頼るからこそ、これを使ってください」

七は、赤い水晶をバッと回りに右から左へと流す。

赤い結晶は青い鎖に反応すると赤い結晶へビーズのように突き刺さり、強く光る。


_代償のために来たんだよね_


_なら、代償を払わないとね_


七へ誰かが言う。

「あなたは……」

青い鎖と赤の結晶が混じる。

そして、針と剣の生物へと突き刺さる。


_代償…七は_


_一つの代償。まず、あなたは_


_最初からあった繋がり_


七は、口をわなわなする。

七は、地面に膝をつける。


「……それは」


_代償。次は何かな?_


針と剣の生物は黄色の多くの泡のような光に包まれて消えていく。


七は何とか鎖の力で勝てた。

七は勝てたのに。

あの言葉。


繋がりが代償は、彼女には痛みに過ぎる言葉であった。

七はうつむく。


「繋がり…………私には……ない」

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