第35話 一人では戦えないよ

七はドキドキしていた。

この先に進まないといけない。

でも。

この先になんて。

一歩踏み出す。

ガタガタと震える。

針足のモンスターがたくさんいるのが見える。

岩場のような空間が奥に広がる。

歩いている。

モンスターが歩いている。

七はやはり進めない。

怖い。

「怖い……………」

七は、怖がっていた。

モンスターが怖い。

そこへフワッと抱きしめられる。

「え……」

「七お姉ちゃん!光だよ!光だよっ」

「光さん?ルルさんは?」

「優衣お姉ちゃんにお願いしてきたよ」

「どうしてここに?」

「一人じゃ戦えないよ!」

「えと」

「一人で戦えた?」

七は一歩も動いてない。

進めてない。

「私…」

光は七へ抱きつくと指を絡ませる。

「七お姉ちゃん。行こう。私とクリアしよう」

「………光さんと、いいんですか?」

「一人で戦えってそんなのだめだよ!一緒にやろうー!」

光は手を出してくる。

七は手を出す。

二人は手を握る。

光はえへへとする。

「行こう!七お姉ちゃん」

「よろしくお願いします……光さん」

光は七に抱きついたまま、ニコオとする。

「んー。良い匂いー」

七は困り顔をする。

「え……………光さん?あの……」

クリアのために二人は奥へ進む。

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