第32話 光は甘えたがり 優衣はしっかり

光は七に抱きつく。

「七お姉ちゃん……服びしょびしょ……私の部屋に着てきてー」

「え?い、いえ」

ということで光の部屋へと向かう。

光の部屋はあまり目を引く者がない。

ルルはベッドの隣で体を丸めて眠る。

優衣はとりあえず座ると窓の外を見つめる。

光はクローゼットを開けるとロリータ服がたくさんある。

「どれがいいかなー。七お姉ちゃんにはー。あ!これ!」

オレンジのロリータ服を着せようとする。

「あなたもですか!?光さん」

「何の話ー?」

「結衣さんにも同じことを言われたんです…」

「そうなのー?」

七は着てみる。

光は目を輝かせる。

「かーわいいいいい!七お姉ちゃん!かわいいよ!わあわあ、似合うー。私のセンス最高だね、ほめてーほめーてー」

七は仕方なく光の頭を撫でる。 

「よ、よしよしですね」

「ほめられたー。わーい。ほめられたー」

光はうれしそうにしていて、ルルは光の方へ来ると頭をこすりつける。

「ルルお姉ちゃんも来た!」

七は、少し困りつつ笑う。

「ルルさん………は、竜なんですか?」

ルルはのびーとする。

七をジッと見つめる。

「な、何ですか?」

光は七を抱きしめながら言う。

「へっへー。ルルお姉ちゃんは、心配性なんだよ。七お姉ちゃんのこと……」

ルルは、七の顔へ自分の頬をこすりつける。

「く、くすぐったいです…えっと、ルルさん…ですよね…?あの、頭を撫でてもいいですか?」

七は確認する。

ルルは静かにしていて、光が答える。

「いいってー。」

七は頭を撫でていく。

ルルはうれしそうにしている。

「………結構柔らかいですね」

ルルはフニャリとして、心地よさそうにしている。

優衣はそこへ声をかける。

「七様。光様。ルル様。」

優衣は七の手を掴む。

「光様。すみません。七様はこれから行くべき場所があります」

光は不思議そうにしたが、ハッとする。

「ん?……あっ、そっか……七お姉ちゃんがんばってね」

七は不思議そうにする。

「あの?」

優衣は七の手を掴むと連れていく。

「行くよ。七様」 

光は七へ手を振る。

七もあわてて手を振った。

ルルは静かに見つめた。

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