第31話 七 迷う

七は奥へ奥へと入っていく。

外灯はある。

別に暗くもないが、どこまで続いてるのか。

奥へ奥へと歩くと。

「あれ………こんなに深い?」

七は、不安がっていると、後ろからグサリと。

七は、前に倒れる。

針が。

そこには巨大な針の足を持つモンスターがいる。普段と違うように感じられた。

七は引き抜かれると、また、針を向けられる。

そこへ。

モンスターへ結晶がぶつけられ、針のようなものが絡むとモンスターを破壊する。

七は、その結晶が来た方向を見る。

光がいる。

ルルも一緒だ。

「七お姉ちゃん!」

光は七の元へ行き、焦る。

「なんで…こんな所に……」

「え?」

「奥入ったらだめなの!」

七はクスッとする。

「言われてませんよ」

「あ、あ、えと、七お姉ちゃん!あ、えと、私をほめる七お姉ちゃんがいなくなるの困るの!」

「え、なんかひどいです」

「七お姉ちゃん!七お姉ちゃん!」

ルルは、いない。

「七お姉ちゃん……痛いよね……私をほめる七お姉ちゃんを……」

七は痛いはずなのに、笑う。

「はは、は……私はほめる専門て感じです?」

光は涙を流す。

七は、驚く。

「七お姉ちゃん…私のことほめてくれた……七お姉ちゃん……だから……」

光はポロポロと泣いている。

七は驚く。

「光さん。泣いてるんですか?」

「なくもん!嫌だもん!嫌だもん!」

七は、口を小さく開ける。

「…………」

光は七に抱きつく。

七は痛そうだ。

「いた、痛いです…!」

そこへ。

ブワッと風が吹く。

ルルだ。

そして、その上には優衣が乗る。

「七様!」

優衣は地面に足をつけると七の元へ走る。

「七様!て!光様!離れて!」

「うう、う……七お姉ちゃん」

七は頭を撫でる。

「大丈夫ですよ光さん」

「うう………七お姉ちゃん……ほめてくれる人なんだから……」

「私ってそれしかないのかな………」

七はショックを受ける。

優衣はビンを手に持つと

「七様。ごめんなさい!」

バシャリと赤色に染まる服の上から回復ビンの水をかける。

「七様!大丈夫…ですか?」

七は少しずつ回復していく。

「……え?あれ?痛みが減ってきた……?」

光はそこへ、七に抱きつく。

「七お姉ちゃん!よかった…これでほめられる!」

「………そこしかないんですね……私」

すぐに優衣は立ち上がると二人の手を握る。

「早くここを離れるよ。七様。光様」

ルルもついていく。

外灯を通り過ぎ、全員戻る。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る