第27話 薬屋さん

優衣は七を連れていくと薬屋へと向かい、多く置いてある道具を手に持つと優衣の手に触れる。

「ケガしてるよね。はい、手出して」

七は、手を出す。

優衣はそこへ指でつねる。

「いたっ……!」

つねってくる。

すりむいた場所を

七は質問する。

「あの、何を」

「言わなかった。私に」

「だって…心配させます」

「言って。言わないとだめ」

優衣は真っ直ぐに七を見つめる。

ジーッと見つめる。

「はい……言います」

「言わないと、ね」

すりむいた部分を更につねる。

「ちょ!」

「血が出たら、切れてたらもっと痛いんだよ」

「………はい…すみません」

七の手に絆創膏を貼る。

「はう!」

七は更に頬を伸ばされる。

「だめだからね!ちゃんと言うの……言わないと分かんないんだから」

七はうつむく。

「幼なじみ、ですね。それは」

「何のこと?」

「私の都合のいい女の子役」

「都合のいい……?」

優衣はクスリとする。

七の手をキュッと握る。

「都合が良くていいよ?私は幼なじみ。幼なじみなんだから」

優衣はどこか真っ黒な瞳をする。

「これが幼なじみだよ?」

「幼なじみですね……はあ、幼なじみっていいですね……」

七は一応聞く。

「ギュッてしてもいいですか?」

優衣は手を広げる。

「いいよ。七様」

七は優衣を抱きしめる。

「……安心します……柔らかいです」

七は、優衣を抱きしめ癒されていた。

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