第22話 幼なじみ・優衣

幼なじみ・優衣

七は、ベッドに座る。

「七様。何がしたい?」

「何が………」

「したいこと言っていいんだよ」

「えーと………うーむ……。なら、手をつないでほしいです」

優衣は目をパチクリする。

「手……?」

「手をつないでほしいです」

優衣は柔らかく笑うと手に触れるとつなぐ。

「これでいい…?」

「はい。あー。手柔らかいです」

七は、フニャリと顔が緩む。

優衣はギュウと強く握る。

「七様。この幸せな空間。どう?苦しい?痛い?死にたいほど嫌?」

「何の話……です…」

優衣は近くへと寄る。

「あなたは…、壊れてるからこうしてるんだよね。七様。もう嫌でしょ?」

「何が」

「この幸せな空間も苦しい。現実も苦しい……ねえ?七様。今、どんな気分?」

「……………幸せです」

優衣はクスリとする。

「嘘ばかり。死ぬほど苦しいよね?」

「なにいってるんですか?私は苦しくないですよ」

結衣は七の体を抱く。

両方の頬を掴む。

「結衣さん?」

「甘えていいんだよ。幼なじみはね甘えていいの」

「…い、いえ」

七は顔を赤くする。

後ずさろうとしても、結衣は離さなく下から七を見つめる。

「七様。こっち向いて」

「そんなにじっと見られると……恥ずかしい…です…」

七は頬を染め上げている。

何だか恥ずかしいようだ。

結衣は頬を一つつまむ。

「七様。こっち向いて。手だけでいいの?」

「手以外ですか?」

七は手の他が想像できない。

「例えば…………お揃いのメイド服を着るとか」

結衣の手にはメイド服がある。

「え」

「着せてあげ……」

「自分でします!というか……着ないとなんですか?」

「幼なじみルートっぽくない?」

「ぽくないと思います………」

七は自分でメイド服を着ていく。

結衣はほうと満足そうだ。

やはり抱きついてくる。

「かーわいいっ!七様!これは……たまらないっ!うわあ……もう!かわいい!」

七はあわあわする。

「あ、あのあの……私は……似合わなくて…」

「え。とってもかわいいよ……。」

結衣はもう満足。

七は困り顔。

「……もう脱ぎますね…」

「え!もう!?七様!」

七はすぐに着替えた。

「似合ってたのに………」

「私はにあいませ……!」

優衣はハッとする。

「来た」

優衣は七を見る。

「七様。行こう」

「…はい!」

幼なじみルート・終了

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