第21話 七

七は目が覚める。

「……………あ」

七は柔らかさを背中に感じる。

「………………」

七は起きると回りを見る。

ベッドの上にいて。

隣には優衣がいる。彼女は眠っていた。

「優衣さん………」

七はベッドの上で体を丸めるように眠る。

「……優衣さん………寝てる…」

七はうつむく。

何というか。

優衣は、目が覚めたのか自分の目をこすり、起き上がる。

「あ!起きた…よかった」

「あ…………の、」

七はうつむく。

優衣はニコリとして、七の頭を撫でる。

「光様怖い…よね?」

七はすぐ答える。

「怖くないです!妹は天使です!」

優衣はポカンとすると、七の手に自分の手を重ねる。

「幼なじみは………やっぱり飽きた…?」

「え!」

「幼なじみは必ずくっつけないという伝説があるの」

「何ですか?その伝説!?」

「あるんだよ。七様」

「いえ!幼なじみは天使ですよ!女神です!私は幼なじみは無視する主人公は理解できません!あんなにかわいくて!甘やかしてくれるんですよ!?普通幼なじみも攻略対象ですよね!?幼なじみ萌えですよ!」

優衣はポカンとする。

「そ、そうなの?」

「はい!幼なじみを好きじゃないとか!訳が分かりません!かわいいのに!かわいいですよね………私に甘えてほしい」

優衣は七へと近づくとピトリと肩をくっつけてくる。

「七様…………幼なじみルートする?」

「何ですか?それ」

「幼なじみルート」

「な、な、それは」

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