第19話 私のこと愛してほしいの

七は、時計塔へと向かうと、見上げる。

時計塔は白色で月と花をモチーフにした飾りがある。

「わあ、素敵だな」

時計塔の扉は開いていて、入ってみると広い空間があり、ソファーが置かれている。

「わあ、」

中も月と花が飾られている。

「やっぱり素敵だな…誰が飾ったりしてるんだろう」

素敵しか言っていない七であった。

そこへと後ろからヌッと手が伸びてくる。

その手は七を後ろから抱く。

「えへへー。」

甘い声が響く。

七は動きが止まる。

「七お姉ちゃん。やーっと二人きりだね」

「光さん?」

「あのね。七お姉ちゃん。私ね、私ね」

光は一度離れる。

七は振り向く。

「何ですか?」

「あのね、あのね」

光は恥ずかしそうにして言う。

「あのね、私のこと愛してほしいの」

「え…………………………?」

「愛する、ですか?でも、まだ一緒に全然いませんよ?私のこと分かんないですよね」

光は目を妖しくさせる。

「私のこと愛してほしいの。ほめてほしいの。してくれないの?七お姉ちゃん」

「光さん……」

光は七をソファーに押し倒す。

「七お姉ちゃん………約束をしよう。私を愛すること。私を思うこと」

「どうしてそんなことを」

「優衣お姉ちゃん。星お姉ちゃん。私を愛するまではできない。でも主役ならできる。私を愛して愛して愛して」

七は、光と目を合わされる

「七お姉ちゃん。愛して」

七は、その瞳に吸い込まれる。

「あ………愛します」

「えへへっ。約束だよ?七お姉ちゃん」

時計塔内にオルゴールが現れ、それは音が流れる。

光は七を抱きしめる。

「七お姉ちゃん……嫌いじゃないの」

オルゴールが現れるとそこから輝きがあふれる。

「な、何ですか?」

「これはね、私に封じられた力の解放なの」

「あなたは?」

黒色の透き通るようなドレスに身を包んだ光は笑う。

「これで、屋上にルルお姉ちゃん。が現れる。」

「?それは?」

「ふふふ………ルルお姉ちゃんはね、モンスターなの。でね、私を攻撃しなかったから生かしたの。だけど、一応封じることになったの。行こう。会いに」

光は七の手を握る。

建物の屋上へ行くと。

そこには竜のモンスターがいる。

「ルルお姉ちゃん!」

竜は、光へ懐く。

七も、近づかれる。

「ルルさん?」

「ルルお姉ちゃんはね、戦えるんだよ。あのね、七お姉ちゃんだよ」

竜は七へ顔をこすりつけてくる。

七はそっと撫でる。

「…ルルさんですね」

屋上にいると。

そこへ、星が来る。

「そいつ、何解放してんの?光」

星は竜を睨む。

七は静かにしている。

竜は動かない。

光は前へと出る。

「星お姉ちゃん何?」

「どうしてそいつを出した」

「何が悪いの?星お姉ちゃん」

「そいつもモンスター。私は倒す。」

星は四角い刃を持つと走りだす。

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