第17話 七の能力とは?
七は自分を持ったことがない。
自分が誰なのか分からないで生きてきた。
だから、誰かといることが慣れなくなった。
そんなことは誰かに言えなかった。
そんなのおかしいじゃないか。
自分は………誰なのか。
誰なのか分かる人たちが意味が分からない。
自分が分からない日々に恐怖を感じていた。
七は、分からなくなり、分からなくなり、そのまま愛空街に来ていた。
分からないまま来てしまった。
だから、
外灯の並ぶ場所でモンスターを見ても何も思えない。
自分が分からない。
怖いという感情ももう分からない。
外灯を通り過ぎ、前へ進める優衣と光は強いのだろう。
とても、力があるから怖がらない。
七はうつむく。
自分は戦えない。
というか、戦えるわけがない。
「私は……………………」
七は胸元を握る。
____________
優衣、光は立つ。
ここで立つ。
モンスターたちは動き方がフラフラとしている。
フラフラとフラフラと。
それがゆっくり歩いてきて、針の腕を向ける。地面にグサッと針が刺さると、地面に巨大な穴があく。
光はつぶやく。
「危ないなあ……」
地面に亀裂が入る。
光は優衣の腕を組むと、一緒に後ろへと下がる。
「優衣お姉ちゃん。危ないよ」
「ありがとう。光様。今回は危ないかもね。近づけないや」
他のモンスターも針を地面へ突き刺し巨大な穴をとにかくあけていく。
何をしているのか。
優衣たちは下がるしかない。
七は見つめるしかできない。
「………」
見つめる。
七は特に何もできない。
能力も分からないし。
この場所を望むために戦うということも。
七はよく分かっていない。
七は、うつむく。
そこへと光はにこーっとする。
「七、怖い?」
光はクスクスする。
「あいつらは、私たちが嫌いなの。だから私も嫌い嫌い嫌い」
光は笑う。
そして、彼女は。
白色の結晶が現れると飛んでいき、モンスターに突き刺さると、更に小さな針が飛びだし、相手をしっかりと捕まえて離さず破壊する。
光は笑顔。
「あはっ。私たちを壊そうとするから壊すんだよ?」
光はクスクス、クスクス、楽しそうにする。
「あはははっ!壊そうとするから壊すんだよっ!!!あはっ。」
光は楽しそうにしていて、そこへと上から針が向けられる。
光の頬をかする。
「ねえ?当たってないよ!?ねえ、ねえ。当てるべきはここでしょ?」
光は自分の胸元に手の平を置く。
優衣は一体ずつ倒していく。
光は笑顔で結晶を飛ばす。
突き刺さっていく。
刺さっていく。
光は笑う。
「あはははっ……七お姉ちゃん。私、ワルいことをしてる子を倒してる。私、いい子だよねえええ?」
七は目を開き、口を覆う。
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