第16話 光はいい子

光は、七へ多くのケーキを食べさせた。

「多いです、よ……」

「もーっと食べてー」

「多い……………です」

「食べてー食べてー」

七は困りつつ、こんなにも多く食べられることは幸せだ。

七はけれど、お腹いっぱい。

けど、食べる。

残すことはしない。

食べれることは幸せなのだから。

残すなんてしてはいけない。

優衣も食べていき、残さない。

「ごちそうさまでした」

七もあわてて言う。

手を合わせる。

「ごちそうさまでした」

光は二人を見て、自分も手を合わせる。

「ごち……さま……です」

優衣は光の頭を撫でる。

「うん。ちゃんと出来たね。光様」

光は小さく恥ずかしそうに笑う。

「できるよ。私はできるもん」

優衣はピクリとする。

「優衣お姉ちゃん?」

優衣は静かに言う。

「来た」

光は優衣の手を握ると歩いていく。

「七お姉ちゃんは、自分の力分かった?」

「え、あ、まだで」

「そうなんだ。分かるといいね」

二人の後を七はついていく。

「七はもう少し見てて。力が現れれば戦えばいいから」

「優衣さん……はい…」

七はうつむく。

光は七の手を握る。

「七お姉ちゃんは見学さんだね」

「は、はい………」

七は自分の胸元を握った。

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