第8話 戦うということ
優衣はニコリとして、七の肩にふれる。
「戦ってもらうよ。七様」
「戦うとは?」
「愛空街にはね、この世界を壊そうとするモンスターが現れるの。倒していかないと。この夢の世界はなくなるの」
星はそこへ言う。
「前の主役はモンスターに心を取り込まれてここを破壊しようとした。だから、またそんなこと起きてほしくないんだ」
七は、頭が追いつかないが、うなずく。
「あ、あの……私、どうやって戦えば…力とかないですし…」
星はニマーッとする。
「それは大丈夫。ここに入ったら一つは力が備わる。なら私と特訓しよ」
星は七を連れて行く。
優衣はニコリとして、手を振る。
「さて、私も行こっか」
そこへ金色の長い髪を持つ、輝くようなドレスを纏う少女がやって来る。
「優衣お姉ちゃん!今回の主役はどーこ?」
優衣はニコリと答える。
「先程星様とどこかへ行ったよ。
光と呼ばれた少女は、優衣の方へ行くと後ろから抱きつく。
「ねえねえ、優衣お姉ちゃん。七お姉ちゃんのこと、好きにしていーい?」
優衣は柔らかく答える。
「いけませんよ?」
「えー。優衣お姉ちゃんは、何役?幼なじみとかー?なら私は妹。かーわいい妹やるーー。優衣お姉ちゃん。戦いに行くんだよね?なら私も行く!」
「いいの?光様」
「うんっ」
二人は歩いていく。
愛空街。
先へと進むと多くの外灯が並ぶ場所につく。
そこへと一歩踏み出すと次元が変わる。
優衣はニコニコしてる。
光は、舌なめずりをする。
そこにいるのは。
愛空街を壊そうとするモンスターの集団。
姿は動物とも人ともいえない。
が、鋭い針状の四本足を持ち、頭はないが、体を斜めに赤い燐光が囲う。
それは、二人に気づくと向かってくる。
動き方が素早く、そして、柔軟。
足を曲げると優衣を狙う。
優衣は、白棘の紋様を現すとモンスターへ手を伸ばし、叩きつけるように突き刺す。
モンスターは消えていく。
多くがこちらへ向かってくる。
後ろで光はつぶやく。
「世界を壊すの?嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い、だから、みーんな消えて。」
暗く冷たい目をすると。
光は手の平を向ける。
白色の結晶が現れると飛んでいき、モンスターに突き刺さると、更に小さな針が飛びだし、相手をしっかりと捕まえて離さず破壊する。
「この世界を壊すの嫌い」
光はふふっとすると。
優衣に抱きつく。
「優衣お姉ちゃん。ほめて。ほめて。私をいっーぱーい。ほめて。いい子だよね私。ね?ね?いい子だよね?ねね?ね?七お姉ちゃんもほめてくれるかな?」
優衣は光の頭を撫でる。
「光様は強いね。いい子いい子」
光はにこーっとする。
「えへへへえ優衣お姉ちゃん大好きー」
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