第9話 七と星 特訓

星は自分の腰に手を置く。

「七。あんたの能力。何か分かる?」

「分からないのですが……」

「そう、とにかくほら、やってみて」

「えと……はい」

七は手を前に出す。

が、何も出てこない。

「あれ?」

「お前はだめだな。だめな奴だな」

七は、うつむく。

星は傷つけたかと思い、反省。

「あ……ごめ」

七は、星の手を握る。

「もっと言ってください!もっと!だめな子っていいですよね!女の子に言われるからいいんです!はあ、もっと……もっと!」

星は引く。

「七………あんた、は」

「いいですよ!もっと……」

七はグイグイと星へと押していく。

「星さん、星先輩の髪、とても綺麗ですね………それに、指が少し硬いですね…一生懸命なんですね、……はあ……女の子にだめな奴って言われるのたまりません!」

星は後ろへ下がる。

七は進む。

「星先輩。」

「な、何?」

七はニコリとする。

「すっごくかわいいですね!強気系な所がまた、泣かせたくなるんですよね………」

「なんの話だ?」

「私、昔から甘やかす女の子も好きなのですが、強気系の方は、泣かせたいんですよね……いいですよね。普段強気の女の子が……涙目とか…」

星はムカッとする。

「私は泣かないぞ?失礼な、そんな簡単に誰が泣くか」

星はむうとする。

星は泣かないし。

自分は強いと思っている。

ここにいて、戦いだってしてるのだ。

簡単には泣かない。

「泣かない。私は」

七はうつむく。

「泣かないですか?そうですか……」

残念そうだ。

星は言う。

「何で残念そうなんだ!?」

「だって……涙目で、怖いんだとか言って…私の服を掴んでうつむいて、私は本当は怖がりなんだと言われて……そして、私は抱きしめて頭を撫でまわすんです!」

星は相当な妄想力だなと逆にほめたくなる。

が、七をジトリと見つめる。

「かわいいんです!私は撫でまわしたいんです!強気な女の子が泣いてほしいんです!」

星はビシッと七の頭をチョップする。

「うるさいぞ。それより力だ」

七は「むー…………。はい」とする。

七は、力は分からない。

だが、力を見つけるために手の平を前に出す。

「こおりさん!しょくぶつさん!私に力をかしてください!」

星は不思議そうにする。

「何だ?それは」

「私の世界では魔法とか使えるマンガや小説があるんです、で!セリフがあるんです!」

「簡単に使えるのか?」

「えーと、むそう?とか、万能とか、すごいんですよ!みんな!」

「マンガや小説は知ってるぞ」

「知ってるんですか!?何読みますか!?」

星はうーんとする。

「私は……バトルマンガ好きだな」

「バトルですか!?かっこいいですよね…私も戦えたらいいのになって思います」

「戦うんだぞ。お前も」

「私……一応体育3くらいです!3でもどうにかなりますかね!?」

「体育3?そうなのか?」

「苦手なんです…」

「来たんだから戦え」

「はい………………分かりました…」

七は、自信なく答えるが前を向く。

七は集中していると、後ろから抱きしめられる。

「ふにゃっ!?」

後ろには光がいる。

光はにこーっとする。

「初めまして七お姉ちゃん。私は光」

「光さん?」

「私は妹だよっ。うれしい?うれしい?ほめてほめて。七お姉ちゃん」

七はキューンとして、ドキーンとする。

「かわいいです!かわいい!あー。妹ですか!?うれしいです!かわいい………はあはあ……」

光の頭を撫でる。

光はニコッとする。

「うれしいの。七お姉ちゃん」

光は小さくつぶやく。

「七お姉ちゃん……光のこと……嫌いになった?」

七は不思議そうにしつつ、頭を撫でる。

「嫌いじゃないですよ」

光は上目づかいで七を見つめる。

「七お姉ちゃん。私のこと」

そこへ星が口を出す。

「黙れ。光」

光はカタカタと顔を動かすと星を見る。

「星お姉ちゃん。嫌い?私のこと」

「嫌いだ。お前は……」

光はうつむく。

「嫌いなんだ?そう?そうなんだ?ほめてくれないんだ」

七の手に降れると指を絡める。

光は絡めると星を冷たい目で見る。

「星嫌い。」

結晶が現れる。

星へと結晶が飛ばされる。

星は四角形の刃を持つと結晶を破壊する。

「危ないだろ。光」

「星お姉ちゃんほめてくれない嫌い私のことも嫌いひどいひどい星お姉ちゃんのこと好きなのに星お姉ちゃん私嫌い優衣お姉ちゃんのことも好きなのに、星は私嫌い」

七は、困り顔であるが光のことをそっと抱きしめる。

「あの……攻撃?よくないですよ」

「え…………七お姉ちゃん?」

七は優しげに笑う。

「よく分からないですけど、だめだと思いますよ」

光は優しげな顔に頬を染める。

「私のこと、怒らない…?七お姉ちゃんは、私のこと怒らないの?」

「初対面ですし…まだあなたのこと知らないのに怒れません」

光は頬を染めてうつむく。

星を見る。

「ごめんなさい………星お姉ちゃん…」

星は許さない。

「あ?声が小せえぞ」

光は指を絡めてくる。

七は、何も言わない。

たまらない。

「七お姉ちゃん………」

「え、はい!」

「光のこと嫌いにならない?」

「初対面で嫌いになりませんよ!?もう少しいて、嫌いになるとかお互いにあるかもですが」

「七お姉ちゃん………私のこと」

そこへと四角い刃が光の首に向けられる。

「黙れ。光。そして、七こいつの話を聞くな」

七は?マークが浮かぶ。

「七お姉ちゃん…………」

七を抱きしめる。

星は光を睨む。

「黙れ」

光はゆっくりと七から離れる。

「七お姉ちゃんかわいいなあ…指も柔らかいし……」

星は睨む。

「黙れ。今は消えろ」

そこへと優衣が来る。

「光様」

「優衣お姉ちゃん。星お姉ちゃん怖いの」

優衣は星へと静かに言う。

「星様。彼女は」

「分かってる。分かってる。けどそいつは結構危険だ…性格的に」

光はかわいらしく笑う。

「えへへっ。怖くないよ?星お姉ちゃん」

七はドキドキしてる。

「かわいい……光さん」

光は七の元へ来る。

「私のこと嫌い……?」

「嫌いじゃないです」

光はパアッと顔を明るくさせる。

「うれしい!七お姉ちゃん」

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