第7話 おばあちゃんVS僕
これは、僕が泣いた時の話だ。詳しいことまでは忘れたが、何か努力して、その先でお父さんに怒られた時だった。
理解されなくて、悲しくて、孤独で。
結局その日は一人になりたくて押入れの中で寝た。
その日からお父さんとは仲が悪くなってしまった。何かある度喧嘩して、泣いて、閉じこもって。
そんなある日のことだ。押入れの扉を乱雑にバンガタンと叩く音がした。また叱られるのかと思った。でも。
「おい、生きってっか?おーい」
その音の主はおばあちゃんだったのだ。仕方なく僕はスッと開けて無事だと見せた。でも、おばあちゃんはその梅干しみたいな目で僕の目元が赤くなっているのを確認すると、「おいで」と。
その時だけ、昔のおばあちゃんが戻ったみたいだった。
僕はたくさん泣きついた。ダサく情けなく、抱きついて、ひたすら涙を流した。ママから離れたくない赤ん坊みたいに。
孤独だと思っていたけど、僕の隣にはいつも、最強のおばあちゃんがいてくれたのだ。
そして今、この物語はプロローグに戻る。
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