第302話 異界
【英里香side】
「嵐お兄さまが休憩している間にかたを付けるわよ、みんな ! 」
わたしが言うと、みんなが頷いた。
本人も自覚があるから、足を引っ張らないように引き下がったのでしょう。
左慈と于吉の件が終わったら、あらためて異世界の神にお礼参りに行かないとね……
こけるが妖しいところを見つけたようだ。
「
何もなかったはずの空間に穴が空いた。
普段ふざけていても、こけるは一流の陰陽師だとわかる。
◇◇◇
異界の中に入って直ぐに気がついた。
確かに、邪悪な気に満ち溢れている。
普通の人間だったなら、正気では居られないわね。
「大江戸姉妹……お前たちは何者だ ?
俺や海里は、陰陽師として修行をしているから大丈夫だが、普通の人間には異界では堪えられないハズだ ! 」
アレレ……もしかして……わたし達 疑われているの、こけるに !?
「わたしたち、大江戸姉妹は
陰ながら日ノ本の敵と成る存在と闘ってきた流派が妖怪やアヤカシ専任の退魔師に劣ると思っているの !? 」
明日菜の剣幕にタジタジとなる、こける。
「現在の潮来圓明流の継承者は由利子先生だろう。
どうりで、
スマナイ、悪かった。 少し疑り深かったな ! 」
こけるが謝っているのに合わせたように、
「茶番は、もういい ! 嵐は、大江戸嵐は一緒じゃないのか ? 」
左慈が、わたしたちを
「すみませんねぇ~、皆さん。
左慈は嵐くんとデートをするのを楽しみにしていたので、機嫌が悪いんですよ ♪ 」
「于吉……そんなに早死にしたかったのなら、今ここで殺してやるぞ ! 」
「冗談、冗談ですよ、左慈。
ジョークくらい
于吉……その余裕ぶっていられるのも今のウチよ !
「ああ、来ましたよ。 皆さんは、アレと遊んでくださいね。
私達も忙しいので失礼しますね。
なぁ~に、異界での時間の流れ方は現世と違い、ゆっくり流れているので、急ぐこともないでしょうからね 」
そう言って立ち去ろうとしている于吉や左慈を通せんぼしているのは、こけると海里。
コチラに向かってくるのは、沢山の霊団だった。
雑魚といえど面倒臭いわね。
「「「ゴッデス▪エクスクラメーション ! 」」」
かつて、ギリシャ神話の神々が三位一体で発動する究極の影の闘法で、小規模ながらビッグバンにも匹敵する威力があるという。
三人一組で行う特殊な技であり、すさまじい破壊力は沢山の霊魂の団体をふきとばした。
「
こけるが驚いている近くでは、于吉も左慈も
「こける……不意打ちは卑怯 ! 」
パラスが、こけるを非難するように言うと、
「冤罪やぁー ! 俺は無実や !」
涙をチョチョ切らせながら抗議する、こける。
明日菜が左慈と于吉の様子を観察して気が付いたのか、
「見て ! 左慈と于吉の顔の
それを聞いて、すぐに
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