第300話 相棒 ー 凸凹コンビ ー

【嵐side】


 こけると海里が妙にソワソワしているので聞いてみた。


「この間から、お前たち……特に、こけるは何時にも増して変人だったが、急に寒く成ったからヒートショックで脳ミソが流れてしまったのか ? 」


ちゃうわ違うわ

 阪神タイガースが、38年ぶりに優勝して日本一に成ったから嬉しくて関西弁が出たんや ! 」


「知らんわ !

 俺たちの生まれる前だろう。

 ヘタレ作者るしあんが高校生の頃の話しなんてされても判るワケ無いだろうが !

 エセ関西弁なんて話していると炎上するだろうが、アホこける ! 」


 別にG球団のファンと云うワケでは無い。

 俺は別に野球に興味が無いだけなのだ。





 隣では、しくしくと頭を抱えて泣いているアホこける


 いつでも話しが進まないことに業を煮やした明日菜や由利凛、英里香からトドメの言葉をもらったせいだった。


「タイガースの優勝って、ハレー彗星みたいね」


「明日菜ちゃん……ハレー彗星が次に来るのは 2061年だから、それまでには優勝する……かなぁ~、たぶん。

 ちょうど、76年に一度来るハレー彗星の半分なんだから、許してあげるのじゃ! 」


「身も蓋も無いわよ、ふたりとも。

 38年に一度の祭りなんだから、多目に見てあげなさいな ! 」



 ◇◇◇


 アホこけるを無視して、海里に今回の目的を聞いた。


「異界化 !?」


 左慈や于吉の企みが解らない。


「そう。 戦争を引き起こして沢山の人達の魂をにえにして、現代に封印された邪神を復活させようとしているのよ 」


 于吉や左慈に取り憑いている饕餮とうてつが仲魔の四凶だけでなく、他の封印されている邪神も復活させようとしていると聞いて、隣の由利凛を見て フッ と笑うと、


 ゲシッ ゲシッ と由利凛が俺の足を蹴ってきた。

「おい、由利凛 ! なんで蹴るんだよ。

 ちょっと見ただけじゃないか ! 」


「嵐お兄ちゃんの考えていることなんて、まるっとお見通しなのじゃ !

 妾は、あくまでも役職として邪神をしていたので有って、本来は恵利凛と同じ女神なのじゃ ! 」


「悪かった、悪かったから同じところを集中的に蹴るな ! 」


 ようやく、蹴るのをあきらめた由利凛。

 どうして女神って奴等は短気なんだ。


 今回、俺が病み上がりの為に一緒に追いて来た妹たち。

 確かに体力が戻ってないから、ありがたいんだが……

 何故か、ヤル気に満ち溢れている妹たち女神たちに突っ込みを入れると大変なことに成りそうだから黙っておくことにした。


 大江戸グループからバスを出してもらい向かうは隣県の千葉。


 日本中を騒がす熊さえも近づかない魔境の地だ。

 そこに、于吉や左慈が根城にしているバミューダトライアングルがあるという。


 ドラゴントライアングルとも言われ、千葉県野島埼、小笠原諸島、グアムを結んだ三角形海域が日本の「魔の海域」であり、航空機や船舶が謎の失踪をするバミューダトライアングルと同様であるそうだ。


 目指すは銚子にある、とある神社。

 そこが、異界への入り口だ !




 ※1

 70年代にオカルト界を大いに賑わせたのが「魔の三角地帯」と呼ばれるバミューダトライアングル。


 フロリダ半島の先とプエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形の海域で船舶や航空機が突如として姿を消す事件が次々と起こり、テレビや雑誌でオカルトネタとして扱われた。


 失踪の原因は今もわかっておらず、様々な説が持ち上がっている。


 *磁力に異常が生じたという説や、冷気が海面に落ちて強風を起こすマイクロバースト説、宇宙人が機体ごと誘拐したなんて説まである。



 Wikipedia参照

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る