第291話 もしかして、パート Ⅱ ②

【英里香side】


 インド神話からの転生者は、帝釈天と毘沙門天だけだろうか ?

 あらためて、周りの人間たちを調べた方が良さそうね。


 まず、海里が舎脂しゃし

 帝釈天の妻であり、阿修羅王の娘だと判明した。


 海里よ、前世の因縁とは云え、どんだけ好きなのよ !

 問題は二人。


 一人は蛍先生で、中身が聖書の神話に出てくる天使ガブリエルだと判明。

 彼処あそこは火薬庫なみにヤバいから保留する。


 もう一人が、由利子おば様。

 ゴッド・アイ鑑定でも正体が不明……何者なの、由利子おば様 !


 アザゼルが由利子おば様を恐れていることからも相当、力のある存在よね。


 触らぬ神に祟りなし…………わたし達が、元女神だけどね。


 いにしえの邪神だったりしたら、一発アウトだからね。


 クトゥルー神話の神々なんかだったら最悪だわ。


 とりあえずは、アレをどうにかしないとね。

 アザゼルは、お兄さま軍神アレス蛍先生ガブリエルを押し付けようとしているけど、真っ平ゴメンよ !

 聖書の神なんかとは関わりたくも無い !

 ガブリエルが義理の姉なんて、寒気がするわ。

 アテナとは、別のベクトルで面倒臭い相手。

 アザゼルには、犠牲に成ってもらいましょう。


 由利凛ユリリンを見ると、グッと親指を立てていた。

 この娘の場合、ある意味、わたし以上に邪神よね。

 自分が面白ければ良いと云うタイプ。

 まあ、だから気が合うのだけどね。


「英里香ちゃんは、何もしないのじゃろう ?」


 由利凛が聞いてきた。


「嵐お兄さまはヘタレだから、自らは行動出来ないでしょう。

 蝶子アフロディーテをはじめ、星華や秋穂そして…… 」


「面白い娘が参戦しそうだから、妾と恵利凛は彼女……姫子ちゃんをサポートするのじゃ。

 でないと、遠慮して嵐お兄ちゃんをあきらめてしまうからのう 」


 それも面白いけど、蝶子の中に居るアフロディーテを完全に封印するのも良いかも知れないわね。

 某アニメでポセイドンおじ様を封印したような壺とかないかしら。




 ◇◇◇◇


【アザゼルside】



「ニャァ~ 」


 蛍先生が黒猫を抱いている。

 アノくそ生意気な化け猫サファイアでは無い、別の黒猫だ。


どうしたんですか、蛍先生 ?」


 蛍先生は困ったように、


「実はウチの飼い猫なんですが、いつの間にか、わたしのスポーツバックの中に入っていたようで……」


 ようするに、蛍先生に追いて来たのだろう。


〖よう~。 アザゼル、久しぶり !〗


 しばらく行方不明に成っていた、ルシファーが居た。


〖何をやっているんだよ、テメエは !〗


〖スマン、ドジをしてしちまった !

 ミカエルの罠にハマリ、猫に封印されてしまったんだよ !

 一緒に魔力まで封印されたから、連絡のしようがなかったんだ 〗


 ルシファーは自分勝手な自由な奴だから、てっきりフラフラと遊び歩いていると思っていたから油断した。


 俺とルシファーが仲良さそうに見えたのか、


「良かった。 ウチのルシファー飼い猫は人見知りが激しいから不安だったけど、アザゼル先生のことは気に入ったようですね ♪」


〖蛍の好感度が上がった ! 良かったな、アザゼル 〗


 ミカエル、あの野郎 !

 何時か、絶対に泣かしちゃる !



 ※〖○◌◎◇〗は思念で会話しています。


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