第290話 もしかして、パート Ⅱ ①
【英里香side】
「まだ、こんなところに居たのか、大江戸姉妹 !」
「もう、言い方 ! 本当にデリカシーが無いんだから、こける君は !」
不味いわね。
こけるが、明日菜や努紋に気が付いて近寄って行く。
下手に止めるとヤブヘビに成りそうだし、見守るしか無いのがもどかしい。
「よう どうした、明日菜さん。
その下級生が怪我でもしたのか ?」
「どうした、歩けないようなら俺が背負ってやるぞ、後輩 」
……なるほど、女の子である、わたし達を気遣っているワケね。
海里が、こけるの隣に居るからか、誰もこけるのナンパには引っ掛からない。
負け戦は誰だって嫌だものね。
「大丈夫ッス、道頓堀先輩。
自分で歩けます ! 」
明日菜に睨まれたからか、努紋に持たせていた荷物を、それぞれが背負っている。
まったく、情けないわね。
まあ、
「英里香ちゃん、何かあったのか ?」
さっきまで、凪くんに膝枕させながらイチャイチャしていた由利凛がやって来た。
「あったわよ。 明日菜と一緒にいる彼、わたし達と同じ神様転生よ 」
「おおー。 やっぱり、日本……納豆県は特異点だったのじゃな !」
「神としての意識は心の奥深くに封印されているようだから、余計なちょっかいは御法度よ 」
「分かったのじゃ。 それで大物なのか、英里香ちゃん ?」
「ええ、大物よ。 インド神話の神、毘沙門天よ !」
「おおー、道理で明日菜ちゃんと気が合うハズじゃ。
どちらも、戦闘マニアじゃからのう 」
それ、わたしにも言っている
わたしが、ジトッ と由利凛を見ていると……
「妾も
まあ、
まあ、いいでしょう ……誤魔化されてあげる。
それよりも、アノ二人知り合いだったのかしら ?
わたしの様子に気がついた海里が近づいて来て、
「努紋くん、こける君に弟子入りしているんです。
前に陰陽師として悪霊退治をしているところを見たらしくて。
最初は『師匠』と呼んでいたけど、こける君が嫌がって『先輩』で落ち着いたんですよ」
ほぅ~、へぇ~、わたしが、こけるをジロジロ見ていると……
「なっ なんだよ、英里香 !
そっ、そうか ! さては、俺に惚れたな !
モテる男はツラいぜ 」
「「寝言は寝ている時に言え !」」
わたしと海里の気持ちが一致した。
本当に
正直、自信が無くなってきたわ。
あまり、
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