第281話 アザゼルの誤算
【アザゼルside】
フゥ~。 どうにか、軍神ちゃんに
ッタクゥ、ミカエルにシテヤラれるとはな !
「なるほど、やっぱり
ユリリンちゃんに言ってやろうっと ♪」
ガバッ と後ろを振り返ると、いつかの黒猫が居た。
「てめえ、俺の頭の中を読んだのか !?」
「アハハッ。 悪魔だからって油断し過ぎじゃないの、悪魔の
この黒猫、性格悪すぎ !
「オイ、化け猫 ! いい加減、悪魔を舐めていると痛い目どころでは済まなくなるぞ !」
「嫌だなぁ~。 ボクだって好みがあるんだから、バッチイ悪魔のオッサンなんか舐めないよ !
それと、痛い目って どんな目だい ?」
ポンッ !
人間の少女に変身した黒猫が手の指を使って目尻を下げている。
このヤロウ、舐めやがって !
堕天使の一団、グリゴリの統率者と恐れられたアザゼルさんもヤキが回ったと云うことかよ。
「何か、誤解しているようだけど、化け猫は化け猫でも、ボクは
それも、日本神話・天津神々の月読さまの眷属なんだから、悪魔に劣ると思われるなんて心外だよ !」
黒猫の魔力 否 妖力が爆上がりしてやがる !
ムカつくぜ、世の中 理不尽過ぎないか !?
「ねえ、
「へっ ! なんだ、ビームでも出すつもりか ?
『アナタに祈りを !』なんて、今時 流行らないぜ !
残念だったな、まだ
「もう、ボケたの悪魔の
もう一度だけ教えてあげるよ。
ボクの名前は、サファイア。
やさしい黒猫の女の子さ !
それと、誤解しているようだけど、昼間の月が出て無い今が一番最弱なんだよね。
満月と新月の夜じゃ無くて良かったね 」
この黒猫、可愛くねぇぇぇぇー !
だが、今ならムカつく黒猫を始末してもいいよな。
バレ無いように魔力を溜めていく。
「アンタ、バカァ~ ! 小悪党の考えなんて、まるっとお見通しよ ! 」
ガバッ と、後ろを振り向くと妖狐…………否、
「九尾の狐か、おまえ !
いつの間に、殺生石の封印から出て来たんだ !」
ヤベェ、猫魈に九尾の狐は流石に不味い !
「何が望みだ ? 」
こうなったら交渉してでも、この場を逃れないと !
「いやぁ~、悪いね。 話しの分かる悪魔で良かったよ。
実はさ、七之助……ボク達のメッシーが用意してくれるオヤツや食事だけだと、物足りないんだよ。
最近、仲魔が急に増えたからさ、助かるよ 」
悪魔にタカるなんて、本当にいい性格してやがる !
「わたし達は優しいから、アンタの冬のボーナスまで待ってあげるわ、感謝しなさい ! 」
コイツら、容赦なしかよ !
冬のボーナスで高い洋酒を買おうと思っていたのに、予定変更かよ。
「拙者、腹一杯食べるのが夢だったでござる !」
人狼まで居るのかよ、七之助って奴は何者だ !?
── アザゼルのボンビー生活は続くのであった ──
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