第270話 命短し恋せよ乙女 ③
【蝶子side】
幼い頃から、わたしの容姿は人目を
幼稚園の頃、
── 蝶子ちゃんは、かわいいわね。
お姫様みたいよ ──
同級生の父母から、ちやほやされたわ。
小学生の頃、
── 1組の
モテモテだねぇ~ ──
その時、思ったわ。
どいつもこいつも、チョッッロ !!
わたしの人生、イージーモードだということに気がついた。
高校生に成った今だって、(回想開始)
学校の廊下を歩いていただけで、
「夜野さん !」
知らない男の子に呼び止められた。
「何ですか ?」
わたしが聞くと、男の子は恥ずかしそうにしながら、
「俺、隣のクラスの……
あの……俺、ずっと前から、夜野さんのことを可愛いなって思ってて、良かったらROSENとか教えて欲しくて……」
「えっ、ROSENですか ?
わたしと ? 」
わたしが可愛いのは当然だけど、普通にお断り案件だったわ。
尚も男の子は続けて話してくる。
「急で驚いたよな 」
よくあるわよ。
「でも、俺は夜野のことを、もっと知りたかったんだ !」
知って、どうするのよ !
「俺のことも知って欲しかったんだ !」
わたしは、アンタに興味無いけどね。
とにかく、湯水が
わたしのイメージが崩れるから、わたしから決定的な言葉は口にしないわ。
それに……
ドッ ドッ ドッ ドッ !
「夜野さんが困っているだろう、
困っているフリをしていると、大抵周りが解決してくれたわ。
もちろん、助けてくれた男の子に礼を言うのを忘れないわ。
「
ありがとうね 」
── 品羽くんの好感度が上がったのが解ったわ ! ──
品羽くんが、何か言おうとした所で、女友達が移動教室への誘いにきた。
これ幸いに品羽くんから離れたわ。
どうでもいい男の子にROSENを教えるなんて、真っ平ゴメンよ !!
◇◇◇◇◇
教室に入ると、嵐くんがアクビをしながら外を見ていた。
「嵐くん、おはよう 」
「蝶子、おはよう 」
大江戸嵐くんは別 !
顔はイケメンだし、性格は
そして、家は大金持ち !
文化祭を利用して、一気に嵐くんの仲良し友達から恋人にクラスチェンジするんだから !
だけど、なぜ、何でなの !?
嵐くんが調理班に回ってしまった。
大江戸姉妹は調理下手で戦力に成らなかったわ。
わたしも大江戸姉妹もフロア担当、調理担当の嵐くんとは交流できそうに無い !
※ ROSENは、この世界のL◌NEみたいなアプリです。
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