第261話 ユリリンとエリリンの昇神試験

【ユリリンside】


 ── ユリリン、ユリリン、起きない ! ──


 誰じゃ ? 寝不足は美容の敵なのに、妾を起こすのは。


 起き出して周りをキョロキョロと見回すと、お義母様女神ヘラ


「やっと逢えたわね、ユリリン、エリリン 」


 隣を見るとエリリンが居た、女神の時の姿で !

 あわてて妾自身を見ると、妾までが邪神の姿に成っていた。


お義母様女神ヘラ。 私たち、死んじゃったの ?」


 悲しい顔をしながらお義母様に聞くエリリン。


 お義母様といっても、女神ヘラ様は本当の母では無い。

 妾とエリリンの本当の母は、始まりと終わりの守護神ヤヌス。

 母であり父である、ちゃらんぽらんな神なのじゃ !

 放置されて育った妾とエリリンを暖かく迎えてくれたのが女神ヘラ様なのじゃ。


 ちゃらんぽらんなヤヌスに代わり母親代わりに成ってくれた女神ヘラ様は、妾とエリリンに

『母と呼んでいい』

 と、言ってくれたのじゃ。



 ── 死んだワケでは無いのよ、エリリン。

 貴女達には、昇神試験を受けてもらおうと思って、コンタクトをとったのよ ──


「「 昇神試験 ? 」」


 ── そう、貴女達は現在は二級女神だから、アテナやエリスみたいに一級女神に昇神してもらおうと思っているの ──


 お義母様女神ヘラの言葉と共に、妾たちの目の前に瑠璃色に輝く卵が現れた。


 ── それは『宇宙の卵』と云うものよ。

 貴女達には、異世界の育成シュミレーションをしてもらいます。

 ランダムガチャで選んだのですが、ユリリンは戦国時代の日本。 エリリンは、フランス革命前のフランスを引き当てたようね。

 それぞれが、別の世界線に成りますから、人々を幸せにしてくださいね ──


 エリリンが泣きそうになっている。

 仕方ないのじゃ、妾の『宇宙の卵』と交換しようとすると、


 バチッ !


 エリリンの『宇宙の卵』に触れなかったのじゃ。


 ── ズルはダメよ、ユリリン。

 それぞれの課題を無事にクリアしたなら合格とします。

 お互いに相談するのも禁止よ、他の神や女神と相談するのは禁止とします。

『宇宙の卵』に関しては秘密にしてください。

 夢の中でしか『宇宙の卵』には干渉出来ないので注意してください。

 詳しくは説明書を見るように。

 それでは、無事に合格することを祈っていますよ ──


 妾たちは嵐お兄ちゃんと違い、真面目に説明書を読んだのじゃ。


 ① 転生者は二人まで。


 ② 干渉はアドバイスは可だけど指示は不可。


 ③ 直接の干渉は不可。


 妾とエリリンは考えたのじゃ。


「ルイ16世、マリー・アントワネット、マクシミリアン・ロベスピエール、迷っちゃうよぉー ! 」


 妾だったら……アドバイスをしてあげれないのがもどかしいのじゃ。


 妾は、すでに決めているのじゃ。

 一人は、今川義元。 もう一人は…………


 過去問題で似たり寄ったりの『宇宙の卵』があったみたいだけど、皆 信長にこだわり過ぎなのじゃ。


 それに、転生者はだと限定していないのがミソなのじゃ。

 暇そうにしている下級女神あたりから選べば、面白そうな展開に……


 クスクス クスクス。

 IT'S SHOWTIME!!イッツ・ショータイム!!


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