第252話 最強 ? 最恐 ? 最凶夫婦神の強襲 !

 この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません


 ♟♞♝♜♛♚


 ※ 時を少し戻します。



ヘーベーよ、本当に此処ここが悪の隠れ家なのだな 」


「そーですね。 わたしがアルバイトをしている納豆製造会社のパートのオバチャマが、

『弱い国イジメしている国なのよぉ~』

 と言っていたですね ! 」


「そえか、解った妻よ。

『 悪の栄えた試しなし』とも言うので、このヘラクレスが悪を倒して正義を示そうではないか ! 」


 ギリシャの夫婦神は、どうやら勘違いしているようで……


「ちょっと君たち、此処は関係者以外は立ち入り禁止な……


 バキッ !


「何をする貴様 ! 公務執行妨害で逮捕す……


 バキッ !


 二人の警察官がヘラクレスに沈黙させられました。


旦那様ヘラクレス

 此処は危険なので、わたしは 姿を消しておきますですね」


 そう言い残して、女神ヘーベーは姿を消しました。


 少しだけ寂しさを感じながら、ズンズンとロシア大使館に突き進む英雄神ヘラクレス。


 ヘラクレスがドアノブを開こうとしたら、


 バキバキッバキッ !


 鍵が掛けられたドアノブを無理やり引きちぎりました。


 雪崩なだれこむロシア大使館員達、手には拳銃がにぎられていて、


 パン パン パン パン パン パン パン パン パン パン パン パン パン パン パン パン パン パン !


 銃弾の嵐がヘラクレスを襲うも、


「 ムン ! そのような武器で、我が肉体を傷つけようとするなど、無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 !」


 ヘラクレスの鋼の肉体の前には、拳銃の弾などは豆鉄砲のような物だった。


 ヘラクレスは、ひとしきり暴れた後で、一人のロシア大使館員に聞いた。


「悪の総帥を出したまえ !

 俺自ら鉄槌をくだそうではないか 」


「悪の総帥 ? そんな者は居ない !

 大使なら既に避難しているから、此処には居ないわ ! 」


 ヘラクレスに対して負けてたまるかと、言い返す、ロシア大使館員。


 考え込んでいるヘラクレスにロシア大使館員が、


「我々に対して、こんな事をして無事でいられると思うなよ、 !」


「フム、何故 ギリシャ人だと思うのだ ? 」


巫山戯ふざけるな !

 さっきから、ギリシャ語を話していたクセに。

 それに我々は、悪ではないわ !

 悪と云うのは、世界の警察を気取っているだ ! 」


 すると、姿を消している女神ヘーベーが、


「お~、これは良いことを聞きました。

 次の世直し旅の目標は、アメリカ合衆国ですね 」


 ロシア大使館を後にする時、ドローンのカメラに気がついた女神ヘーベー。


「旦那様、カメラに向かって、をするのが、日本の様式美ようしきびだそうですね !」


 カメラに向かい、自慢の筋肉を見せびらかしているヘラクレスを見ながら、ロシア大使館員の一人は、


「ギリシャ大使館に抗議の為に大使を呼び出してくれ、無駄だと思うがな。

 アレは人間じゃ無い ! 筋肉の悪魔だ ! 」



 ♟♞♝♜♚♛


 同じようにアメリカ大使館、中国大使館と次々と襲うヘラクレスと女神ヘーベー。


「次はモスクワのクレムリンを退治するですね ! 」


 完全に目的を忘れている女神ヘーベーを止められる者は居なかった。


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