第247話 南華老仙の野望
【于吉side】
「この世界は、もうどうしようもない。
でも我等は黙って滅びるわけにはいかないのだ !
だから、人間を世界から一掃……したいところだが、そうもいかぬ。
なら、我等が世界を導かなければ成らないのだ !
一度は人間を信じて『太平妖術の書』を張角に与えたのが失敗だった。
もう、人間には任せては置けない 」
南華老仙さまの気持ちは理解はするのですが、いささか暴走していると思うのですが……
まあ、私は自分の研究が進むので、適当に協力しておきましょうか。
隠れ家の一つである廃ビルで着替えをしていた左慈が、
「やられた !
他にも発信器を取り付けていやがった、あの悪魔ども !」
隠れ家に入る前に発見した発信器は、やはりダミーでしたか。
念の為に、一番いらない隠れ家に入ることにして良かったですね。
どうやら、嵐くんより嵐くんの妹たちの方が手強いかも知れないと判ったハズなのに、何故か私の心は踊っていました。
この私と知恵比べをするには、こける君では物足りないと思っていましたからね。
先代の于吉とは違うのですよ、先代とは !
「おい、さっさとズラカルぞ !
奴らに強襲される前にアジトを変えるぞ、于吉 ! 」
左慈の顔色が悪いですね。
よっぽど、嵐くんの妹たちに苦手意識を持ったのでしょうね。
個人的には気が合いそうな気がしますが……
「慌てなくても大丈夫ですよ、左慈。
おそらく、敵は私たちを泳がせるつもりでしょうから、しばらくは このままで過ごしましょう 」
不満そうにしていますが、左慈は私の提案に従ってくれるようです。
♟♞♝♜♚♛
【左慈side】
クソゥ、あの悪魔どもめ、やってくれる !
腹黒は于吉だけでも充分だと云うのに敵に同種の人間が居たとは不覚だった。
味方なら頼もしいが、敵に成ってしまうと、これ程 厄介だとは思わなかった。
嵐の妹たち、美少女ぞろいのくせに、えげつない性格をしていやがったな。
南華老仙に誘われて参加したが、正直 暴れることが出きれば良かったので、南華老仙の理想など、どうでも良かった。
于吉に誘われなかったら、今でも中国
グゥー !
腹が鳴った。
そういえば、朝から何も食って無かったな。
「おい、于吉 !
いい加減、コンビニ飯は飽きたから、何処か安全な所で外食をしようぜ !」
活動費を握っている于吉を誘う。
自由に使える金は、一月に1000円しか寄越さない于吉。
このドケチ仙人に財布を握られているから、単独行動も出来やしない !
「良いでしょう、たまには。
隠れ家的な中華料理屋を見付けたので、
久しぶりに食べる中華料理を楽しみに于吉と一緒に向かったのだが……
泰山飯店
「ここの激辛麻婆豆腐は絶品なんですよ。
何でも、元神父の方が麻婆豆腐の魅力に取りつかれて、本格的に中華料理を学んで開店したそうですからね、楽しみです 」
俺は辛党じゃ無いから遠慮したいんだが。
店の中からラー油と唐辛子を百年間ぐらい煮込んで合体事故のあげく、『オレ外道マーボー今後トモヨロシク』みたいな料理」とても常人が食える代物で無い匂いがしてきた。
「いやぁ~、ここの店主の
とても仲良くさせてもらっているんですよ 」
于吉と意気投合だと !
絶対にろくでもない奴に決まっている。
逃げようとした俺に、
「この店の看板『激辛麻婆豆腐』を完食したら、お小遣いをアップしてあげますけど、どうしますか、左慈? 」
その悪魔の
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