第232話 不和と争いの女神エリスの策略、パット女神とは違うわよ !
【英里香side】
嵐お兄さまからの話しを聞いて、さっそく
時給 250円の話は、置いといても陰陽師としては優秀なこけるを大江戸グループで囲ってしまい専属で事務所を開かせて契約をしたら、利益がバカに成らない程に上がることに気がついたからだ。
全国の空き家率は、既に三十パーセントに迫り、その内の中には『
つまり、地縛霊や悪霊が住み着いた為に人に貸せ無い、人に売れ無い、立て直しが出来無い(
当然、そういう物件にも税金がかかるけど、お金を払いたくない持ち主は物納をしようとする。
自治体が、あらかじめ情報を知っていれば拒否も出来るけど、知らずに物納を許してから気づくことも多く、問題に成っている。
だったら、陰陽師に悪霊を
低級の悪霊一匹ならレベルの低い陰陽師でも祓えるけど、実際は人間と同じで弱い悪霊は弱い悪霊同士で徒党を組んで霊団に成っているから、最低でもA級クラスの陰陽師でないと除霊が出来ないの。
こけるは、S級の陰陽師だから文句無く一流の陰陽師だわ。
嵐お兄さまを上手く使って、こけるを
転売するも良し、大江戸グループで有効活用するのも良しの最良の戦略になるわ。
ただ正直に言うと、嵐お兄さまが
エサを上手く使えば、お兄さまは簡単に釣れるハズだわ。
ネックは、天音お姉さまが嵐お兄さまを保育士か幼稚園教諭にしたがっていることね。
いっそのこと、二足のわらじで陰陽師と幼稚園教諭の両方をやらせる方が良いわね。
そんな感じで、私、明日菜、由利凛の考えは一致した。
嵐お兄さまをフリーにさせて置くと問題を起こすから、忙しくさせ過ぎるくらいが丁度良いわ。
【嵐side】
妹たちと相談したら、真剣に考えてくれたようで嬉しかったぞ。
持つべきものは頼りに成る家族たな !
しかし、二足のわらじかぁ~。
まあ、高校を卒業したら、アルバイトをしながら幼稚園教諭の勉強をするか、陰陽師の見習いをしながらアルバイトをするか、迷っていたからな。
大江戸グループがバックアップしてくれるなら、アルバイトをせずに済むから良かったぜ。
正直、どちらも捨てがたかったからな。
ただ、磐長姫子さんへの弟子入りはストップされた。
現在、明日菜と英里香が、こけると交渉中だ。
これが成功したら、こけるが師匠に成るのか ?
まっ、一時の我慢だ。
なあに、すぐにこけるに追い付いて追い越せば良い話だからな。
妹との話が付いた後、正式に俺はこけるに弟子入りした。
そして最初の陰陽師の修行、特訓は…………
「なんで、習字の練習なんだよ ! 」
思わず怒鳴ると、
「陰陽師の使う御札を正規ルートで買うと高いから、普通の見習い陰陽師は自作で御札を作るんだよ !
効果は落ちるが、広告の裏に文字を書いて御札にする練習をするんだ。
専門の和紙だって高いんだからな ! 」
こけるの説明に絶句してしまった。
世の中、世知辛い !
「嵐、なんだよ、そのミミズのノタクッた文字は ! 漢字の前に平仮名からだな ! 」
こうして、俺の最初の修行は、『いろはにほへと~』の平仮名の習字の練習から始まったのであった。
道は遠いなぁ~ …………ハァ。
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