第214話 ホストクラブ・鬼岩城
【嵐side】
繁華街を少し通り抜けると、お城の外見をしたホストクラブ・鬼岩城に着いた。
「
昔の県知事、
へぇ~、悪趣味な建物だと思っていたが再利用したのか。
ズンズンと進む明日菜や英里香は、元ラブホテルとかホストクラブとかに たじろぐ様子が無いよな。
我が妹ながら、たくましいよな。
一方、蝶子は俺の腕に手を添えて恋人を装っているのだろうか。
「おい、おい、兄ちゃんに姉ちゃん達、
此処はホストクラブだから、兄ちゃん達の来る所じゃ無いんだよ。
入り口に居る姉ちゃん達も、まだ準備中だから出直してくれや !」
振り返ると、買い物カゴを抱えている大柄な男が居た。
〖
人間としとの俺には、これ以上は解らないが、この男が本当に鬼だと解っただけでも充分だ。
「俺達は、アンタ達 鬼に用が有って来たんだ。
アンタ達の大将の
俺は陰陽師の道頓堀こける、彼女は助手の
こけるの言葉に反論をしようとした由利凛は、鬼とこけるを見比べて我慢したようだ。
一応、空気が読めるのな。
「あ~、解ったから、その物騒なモノをしまって置いてくれよ。
ソイツには嫌な思い出しか無いからよ。
大将たちなら市民運動会の方に参加しているから、夕方まで戻ってこないぜ。
戻って来るまで、店の中で待っていて良いから、絶対にソイツ……鬼斬丸を抜くんじゃないぞ! 」
ウゲェ、あの面倒臭い行事に参加しているのかよ !
俺達にも参加要請が学園に有ったが、神聖なジャンケン大会の結果、巧とジャンヌ、星華や秋穂、恵利凛やマーズ達が参加している。
「鬼が市民運動会に参加しているのですか ? 」
明日菜が不思議そうに聞いている。
話しに聞いている鬼の姿とは一致しないのだろう。
「大将たちは子供が居るからな。
今や、俺達だって善良な国民なんだぜ ! 」
こける達以外、俺も含めて驚いた。
最近のアニメでも鬼は人喰いで悪い奴らのイメージが強かったからな。
「ボウズ、その顔は疑っているな !
人喰いなぞ、昔の話しだよ。
旨い食い物や旨い酒がある現代で人喰いをしている物好きな鬼は少ないハズだぜ。
まったく、アノ人気アニメは、いい迷惑だ 」
どうやら、嘘は言って無いようだな。
妹たちも『ゴッド・アイ』を使って真偽を計っているようだしな。
普段は武器を持たない こけるの持っている竹刀袋に入っている武器のことが気になった。
俺だけで無く、妹たちの視線も こけるの武器を見詰めている。
そんな視線に気がついたのか、こけるは
「この日本刀は『
酒呑童子に会うんだから、これくらいは用意しないとな 」
妹たちは、ますます興味が湧いたようだ。
「こける、少しだけ、少しだけで良いから抜いて見せてもらえませんか ?
アノ伝説の日本刀なんて、なかなかお目にかかる機会が無いのですから 」
「私も明日菜と同意見よ。
この機会は絶対に逃せないわ ! 」
ふたりの気迫に押された こけるが日本刀を出そうとしたら、
「頼む! 頼むから、俺達『鬼』の前で、ソイツを抜かないでくれ!
フリじゃ無いからな、絶対に抜くなよ ! 」
泣きそうに成っている鬼を無視する程、俺達も鬼じゃ無い…………面白かったかな、俺のギャグ。
鬼に案内されて、俺達は ホストクラブ・鬼岩城の中に通された。
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