第174話 プロジェクト CHOKO

【蝶子side】


 恋人候補が一人減っちゃったなぁ~。

 巧くんは、巧くんで渋くてカッコいいから狙っていたのに。

 嵐くん程、人気がないから油断していたわ。

 それも相手がジャンヌだなんて……

 と云う雰囲気だったから尚更、油断していた。


 巧くんは、アニメ🌟矢に出てくる黄金の戦士のの人を細くした感じで好みが分かれるけど、私は好きだった。

 でもジャンヌが相手なら私はあきらめるわ。

 まだ、嵐くんやロッキーくんが居るからね。


〖……私の分身とはいえ、蝶子の思考にはあきれるわね。

 まあ、ヘパイストスを諦めるのは賛成だわ !

 だけど、絶対にアレス……嵐をモノにしなさいよ !

 人間に転生した嵐は、私の好みでも ど真ん中なんだからね ! 〗


 オバサンアフロディーテがウルサイ !


〖貴女ねぇ、女神であるアフロディーテのことを、何度も『オバサン』呼ばわりは不敬よ !

 本当なら神罰モノだけど、私の分身だから許されているんだからね ! 〗


 フ~ンだ、何時か統合?された時には、蝶子が主導権を握るんだから、今の内に言うだけ言えばぁ~。


〖ハァ、まったく私の分身とは思えない程、自由な娘ね。

 いったい、誰に似たのやら……〗



 ♟♞♝♜♛♚


 嵐くんは由利子先生からゲームを禁止をされたので、今がチャンスなんだよね。

 今もライバルは多いけど、高校生に成ったら更にライバルが増えるのは確実。

 特に蛍先生が争奪戦に参加してくるだろうから、今のうちに出し抜いてやるわ !


 と云う訳で嵐くんの部屋へ突撃します。

 男の子の部屋を掃除してあげて、お義母様のポイントアップ !

 ついでに嵐くんのお宝をゲットして弱味を掴む作戦よ !



 ♟♞♝♜♛♚


 無事に家に入れて貰えたわ。

 大江戸兄妹も潮来姉妹も出掛けている今がチャンスよ。


 散らかっている嵐くんの部屋を掃除しつつ、ベッドの下……無い、や勉強机の引き出しの下……二重底には成って無いようね。

 本棚の下や裏にも無い。

 後は押入れかな ?


〖ねえ、蝶子。 貴女は何を探しているの ?

 まさか、女神アフロディーテの分身がコソドロなんてしないでしょうね !? 〗


 そんな訳無いでしょう、オバサン !

 嵐くんの《おたから》を探しているのよ !


〖バカな蝶子、元・軍神アレスも今は只の子供よ。

 御宝なんて、ある訳が無いでしょうに 〗


 まったく、これだから駄女神は !

 と云ったらDVDとかに決まっているでしょう。

 嵐くんの性癖や好みのタイプを知るのに必要なのよ。


〖……オバサン呼ばわりは、ともかくとは呼ばないでよ !

 それに小手先の御宝探しより自分の美貌磨びぼうみがきをした方が良くてよ。

 男なんて単純なんだから、目の前の美人には弱いんだからね ! 〗


 ハァ、これだからのオバサンは駄目なのよ !

 大昔はともかく、今は男女の駆け引きも重要なんだからね !

 嵐くんの用なタイプは、外堀を埋めて逃げられないようにしないと、いつまでも逃げ続けるに決まっているわ。


〖それなら良いことを教えてあげるわ。

 服や下着を脱いで嵐の布団に潜り込んで、嵐が帰って来たら驚かせてから蝶子の魅力で篭絡ろうらくして関係を持ってしまうのよ !

 名付けて『クレオパトラ作戦』よ 〗


 ……バカなの、バカなんだよね !

 今時、そんな下品なことをしたら、ドン引きされるわよ !

 これだから時代遅れのオバサンは……





「……何をしている、蝶子 !

 おっ、ありがとな !

 掃除をしてくれたんだな。

 もう、大丈夫だからリビングで お茶でも飲むか ? 」


「そうだね、嵐くん。

 一緒にお茶しましょう 」


「オウ ! 」


 一緒にリビングに向かう途中、御宝は見つけられなかったけど、好感度アップよ。

 どう、オバサン !


〖……フン ! もう知らないわよ ? 〗



 野望の為に、また一歩進んだわ !

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る